裏カップル論 十花

 基本は通常のカップル論に有るとおり。「一見下僕、でも実は俺様暗黒侍」希望。
この二人の場合、ヨソ様サイトでは「LOVE LOVEモード」そのまま
恋人的にGO!ですが、ウチの場合初Hは侍の野獣光臨 襲いモードで、いわゆる強○。
 
 パターン@ 

「もう 子供ではないのだから」
そういった十兵衛は、最近 僕から離れようとしている。
毎朝 梳いてくれた髪の毛も、手伝ってくれていた湯浴みの支度も
「俺の仕事から 外してくれ」と 朔羅に頼んだらしい。

 …この年になっても、十兵衛に依存しきっている僕を
見限ったのだろうか?
でも、それなら黙って離れて行く前に 一言 言って欲しかった。
十兵衛が自分の事を、煩わしいと感じる前に。
 嫌なところは、全部直すから。キライになる前に、
悪いところを教えて。
 ダメなところは、努力するから。 お願い、僕から離れないで。

願いも虚しく、距離を置いた十兵衛と
会話もないまま数日が過ぎた。

 「……!」
――――見たく、なかった。
奥まった通路で、髪の長い誰かとキスをしている十兵衛なんて。
 露出過剰とでもいうしかない服を着た女は、唇を合わせたまま
十兵衛の頭部を、かき抱き、細い首筋をのけぞらせる。

その人が できたから、…僕から離れたかったんだ。
僕と一緒だと、「筧」の血に縛られた十兵衛は僕を優先させてしまうだろう。
…あの、十兵衛が「貴様より大事なものが出来た」なんて、
云えるはずもない。 だから、黙って離れて行こうとしてるんだね。
 胸が、痛い。
十兵衛に恋人が出来ても、僕の『親友』と言う立場は永遠かと思っていたのに。
他に、大事な人が出来たなら、笑っておめでとうぐらい言えると思っていたのに。
うつむく花月の視界に、影がよぎる。

「覗きとは、あまり良い趣味とは言えないな、花月」
壁際に閉じ込めるように、十兵衛が近寄る。
「…何故、そんな顔をしている…?」
「…君が、何も言ってくれないから…。 僕が嫌になったら
嫌になったって一言 いってくれれば、気持ちの整理がつくのに!」
「貴様を嫌に思った事など、一度たりとてない」

「…僕達、親友だよね?」
眉根を寄せ、すがるように視線を投げる花月。
「………」
「…へ、んじも…したく…ない程 僕のことが
重荷…なの?  僕より、大事な人が出来たなら…
そう言ってくれれば、もう、おっかけてきたりしない…から」

「何度も言わせるな。 俺は貴様を守る為に生まれてきたんだ。
貴様より大事な人間なぞ、生涯存在するわけなかろう」
「…さっき… 口付けてた女(ヒト)…は?」
「名前も知らん。幹部の地位目当ての、頭の軽い女だ」
「――!何で、そんな人と、キスなんて…するの?」
「いい年をして、そんな事を尋ねるのか?花月。
 キスだけじゃない。幹部の俺を狙ってくる女など、掃いて棄てるほど居る。
無限城内で肉欲の処理するのに、手間が省けるから利用しているだけだ」
 温かみのない笑顔と、日頃の幼馴染みからは想像すら付かなかった
物欲的な言葉に、花月は呆然と凍りつく。

「…あぁ、貴様も興味あるのか?」
「…触らないで!!」
伸ばされた手を、瞬時に叩き落とし叫び返す。
「…汚い」
「汚い、か あいかわらず御綺麗なことだ」
自嘲に歪む、十兵衛の口元。

「やだ…。何で…なんで、そんな事いうの?
僕の知ってる十兵衛は、そんな事言わない!」

 無言の侭、十兵衛が花月の手首を捕らえ、壁へと押しつける。
「痛っ… 何? は、離して」
悪意で染まった闇色の瞳が、震える花月を覗く。
「俺はいつでも、貴様をこうしたいと願っていたよ」
喉の下へと滑らされた十兵衛の指が、花月の襟元を掴んだ。
甲高い悲鳴を思わせる、布が裂ける音。

「や…やだ、…十兵衛!」
「俺は貴様から離れようと思っていたのに。
敷居を越えたのは、お前だ…」


…ふーーーやっばいです。指が走ってとまりません(^_^;)
この他パターンA・Bとあるんですが…続いても良いでしょうか?
カップル論なのに、小説になってしまってるよ(汗)