贖罪



「あのね…紹介したい人が居るの」
きまぐれで 引っ掛けたミモリが 
そういって連れてきたヤツに、俺は
目を奪われた。

流れる金の絹糸。 しなやかで柔軟な肢体。
澄んだ蒼い双眸。
 個々の持ち物は、ミモリと ほぼかわらぬのに…、
その存在感だけは あきらかに異なっていた。
 
母であり、姉であるような
 大いなる慈愛と、似つかわしくない
俺への冷酷な《反感》。
 

 天使が悪魔に恋に落ちると
「堕落」の烙印が押され、その翅根は
もがれ、地獄へと落とされると言う。
俺はそれを知った上で、ミモリを相手にしていた。
 顔も身体も なかなか上等な
ミモリが、「人」へとなったら
飼ってやってもいいと、思う程度には
気に入っていたのだ。
 
だが…このキョーコを一目みた時から、
昏い炎が、揺らめき出した。
悪魔の血が、悶える。
 −−−ホシイ。
相反する感情を、持つこの天使が
ホシイ。
 穢れを厭う身でありながら
悲しみと憎しみの表情で、
俺を 睨む このキョーコが ホシイ…。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 いいさ お前が俺を殺すというなら、
俺は死んでやろう。
お前が「俺」の為に その身を贖うというのなら
死に土産には、上等過ぎるだろう。

 最後に見えたのは、キョーコの涙。
天使であるお前の、誰よりも 清らかで美しいその結晶。
−−−−一生 俺の魂の 捕われて−−−−
−−−お前は−−オレの−−−もの−−−−−

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すみません 原作の悪魔は ミモリちゃんラブな
筈なんですが、どーにもとまらず 嘘設定で書いてしまいました。
この時点で、すでに間違ってる話なのですが、連載進行後
もっと違った話になっていたら、ごめんなさい〜