多分 俊樹の一番やりたかった事。声入れとその演技指導

オマケ
「花月…頼みがある…」
「何、改まって?」
「これ…(ネクタイを差出して)一度で良い、お前に しめてもらえないか?」
「え!?…いいけど… どうして…?」
(リーマン時代、ずっと憧れていたんだ!!カワイイ彼女(?)にネクタイを結んで
もらうのを!…とは言えないし、建前でと)
「いや…花月に そうしてもらう事で、 今までの俺を吹っ切りたいんだ」
「そう… これが、俊樹の生まれ変わる為の儀式なんだね。
うん、わかったよ」
にこやかに微笑む花月に、内心ガッツポーズをとる俊樹。
「 じゃ、眼を瞑ってねv 気を失ったら、やめるから」
(……今、妙な返事が来なかったか?)
 聞き返すより先に、俊樹の首に、シュッと紅いネクタイが
撒きついた。
 と、同時にそのネクタイがギリギリと首を締める。
 「ごめんね、俊樹。君が首を括りたいほど 気にしてたなんて
気付かなくって…。 大丈夫、これで1回仮死状態になれば、
新しく生まれ変われるから!」
 心底すまなそうな 花月の声を聞きながら、薄れ行く意識の中
俊樹は 思い出した。
(そういえば… 花月が昔、こんな事を言っていたっけ…
幼い頃は周囲に着物の人間しかいなくて、
洋服をはじめて見たのは、無限城… …ここでスーツ姿なんて
見た事…ない…よな… ネクタイとは…何か 説明しておけば…)

念の為フォローしておきますが、この花月に悪意はありません(多分)