一生懸命な父に 冷静な母
多分 筧家の遺伝子に諦めきってる模様

オマケ
某月某日  筧父の日記

 連日の十兵衛の猛攻に、そろそろ言い訳が
尽きてきている。
 …こうなるとわかっていれば、花月殿クラスなどと
贅沢を述べず、十兵衛に普通に女の子と
接しさせておけばよかったと思うが、今更である。
 今の十兵衛は、修行のため 女人と
触れ合う事少なく、成長してしまった。
 
 …私自身、風鳥院当主に目通りしたときは
かなり 心揺らいだのだ。 幸い、生まれた時からの
許嫁である、今の妻が居てくれたから、助かっているが…。

 仕方がない 
今回は 現当主にだけでも
挨拶をさせ、花月殿にはまだ あわせぬように
しておこう。 十兵衛に 風鳥院家に出仕許可を与える。

某月某日の翌々日の日記

おのれ…馬鹿息子めっ!
全ての 策略を台無しにしおってっ!!!
 
 …いかん 冷静さを誇る 筧筆頭として
ふさわしくない 言動であった。
 それにしても
父が どれほど お前の将来を心配し
今回の お目通り計画を立てたか知るまい。
 あっさり迷子になった挙句、よりにもよって
琴を嗜まれている最中の、花月殿と初対面を
すませて しまうとは…。
 
 ただでさえ、お可愛らしい花月殿であるが、
振袖姿は 格別である。
今時の日本に、このような大和撫子を具現化したような
(以下 約数十行にわたって、風鳥院現当主&次期当主
を褒め称える言葉が続くので、省略)
…といえよう。

 仕方がない。ここは十兵衛の更正の為だ。
心を鬼とし、花月殿と逢う時間を作れぬよう
日々鍛錬に時間を重ねさせよう。
恨まれるであろうが。これもおまえ自身の為。
許せ。

成長した十兵衛 談。
「父上は 厳しい方だった…
 だが、そんな修行の合間を見つけては
俺は お前と共に過ごしていた…」


 親の心、子知らず。

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この物語はフィクションであり
実在の人物や出来事と一切係わり合い
ございません(多分)