キリリクで、とっても素敵な宝物♪

丘の上の王子様v

薔薇の貴公子v

「カヅっちゃんて、プリンスより
やっぱり お姫様ってイメージだよね」
 「僕が…ですか?」
「うん。長くてサラサラの髪の毛とか
にっこりと笑ったときとか〜」
 言われた当人は、誉め言葉とはいえ
微妙なプライドに関わる言葉な為、
ちょっと小首を傾げ、どう反応していいものか
曖昧に微笑んでいる。
「あ。あと そーいう風に
困ってるときの笑顔も、かわいいよね〜」
ひょいっと背中越しに、抱きついた
銀次が、無邪気に笑う。
「でさ、俺って無限城で『雷帝』って
呼ばれてたでしょ? だから、お似合いっぽい♪」

 そんな会話を、部屋隅でひっそり
控え聞いていた、親衛隊二人。
(…愚かな! 『姫』に似合いなのは
『王子』だ。帝王など、後宮で はべらかし
酒宴を開く毎日な男であろう。姫とお似合いなどとは
言語道断!)
…十兵衛の帝王に関する、概念はかなり
かたよっているらしい。恐るべし、古風な男。
(ふ…間違っているぞ、天野銀次。
姫と王では、いいとこ親子関係だろう。
やはり、プリンセスに似合うのは貴公子!)
 …いきなり『戦慄のプリンス』なんて
言い出した、お前の間違え方に比べれば、
まだマシだ。とツッコミを入れたくなる事を
考えている俊樹。


 翌日。
久しぶりに十兵衛と俊樹と、併せてお出かけの
予定で、公園で待っている花月。
「花月!待ったか!?」
聞き慣れた、十兵衛の声に振り返った
花月は、そのまま凍りついた。
にこやかに手を振っている、幼馴染は
何故か「馬」に乗って、登場したのだ。
「…待たせたな、花月」
俊樹の声に、遠くなっていた意識を取り戻し
慌てて振り返る花月。
 そこにいたのは、今時女性でも見掛けない
フリフリブラウス(オプション:紅い薔薇)な
俊樹だった。

夕べ、根城に帰った二人は、それぞれ
相談役の所へと訪れていた。
 「姉者。王子様とは どういう存在だと思うか?」
「…そうね。やっぱり馬に乗って、
お迎えに来る、レースタイの人…って感じかしら」

生真面目すぎて、時たま理解できなくなる弟に、
それでも誠意を持って、答える朔羅。

「マクベス。貴公子といったら
どういったイメージだ?」
「うーん。テレビとかだと、『何とかの貴公子』って
フリフリブラウスに、黒タイツっぽいよね」
 それは、バラエティー系の番組的イメージだったが
深く考えないで、マクベスは答えた。
「…そうか」
 
 ちなみにこの会話 同室内で行われているのだが、
「お似合いな花月と自分」の思案に耽っている
十兵衛と俊樹に、互いの会話は聞こえていなかった。

 遠巻きにこちらを見ている。周囲の人々に、
「これはテレビの収録です」といったフリをした
花月が、にこやかに二人を迎える。
(…ごめん、マクベス。
この二人は、もう僕の手に負えないよ。
君に任せた)
 
 無限城で今日もがんばっている、若き帝王。
その輝かしい将来へ、またひとつ負担が増したことを
彼はまだ知らないでいた。


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五老峰のイッピ兄さんより、すてき親衛隊をGET! 
もーー好き好き大好きvv
 10000キリリクで、マジカル様より小説を頂いたにも関わらず、
今度は兄さんから
「フリフリ親衛隊」を頂いてしました。
 開いた瞬間 王子様’sに 心奪われましともっv
 笑いを狙って下さったらしいのですが、心のツボに直撃ドキュンで、
ハートをやられましたっ!!!   で、調子に乗って小話など…
 素敵なお婿様、 ありがとうございました〜