「美堂君 火 貸してもらえるかい?」
開店前の、準備中の店内。
 ちょっと休憩とばかりに、タバコを取り出した鏡。
振り返った蛮は、勝手に移せとばかりに
そのまま軽く 顎を突き出す。
 咥えたタバコは、既に短く 
身体を寄せないと、火を貰えそうにはない。
「媚びないのは、君の美点だけどね。
オーナー相手なんだから、懐のジッポー
灯して『どうぞ』 ぐらい言ってくれても
いいと思うけど?」
「ケッ… てめーなんぞに
一文もならねーサービスするかよ」
「ま、これはこれで 面白いからいいいかな」
「…面白い…?何がだよ」
「シャツを隔て 体温が感じるほど
君の近くに いられるってことさ」

 瞬時に鳥肌を立てた蛮が、背後の壁へと
跳び退る。

(うーん 血は繋がってないとはいえ
やっぱり兄弟だね。反応がハニーとそっくりだv)

 以来、店長が火を求めるたびに
100円ライターを投げつける、蛮の姿がそこに あった。

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ふーかさんのイラストに、私が小話付けさせて頂きましたv
この二人は大人の化かし合いができそうな
コンビでちょっとドキドキ ときめきました(笑)