「…あ、助けてもらったのに…お礼もちゃんとできなかった…」
女子高生に助けられ、しかもお嬢様扱いされた軽い衝撃から
ようやく立ち直った花月。

慌てて相手を探そうと、踵を返すが
当然 その姿はもう そこにはいない。

「どうしよう…鏡さんなら、この街に詳しい
みたいだし…。 あの女の子のことも
知ってるかな」
知ってるどころか、二人の会合までばっちりチェック
済みだ。

ただ、あそこに一人で入るには
勇気がいる。店前まで来たものの
入るべきかどうしようか、逡巡する事 数刻。
一般的な目から見れば、高級ホストクラブ前に
迷う極上カワイコちゃんで、周囲の視線が集中しているのだが
当然 花月は気付いていない。

意を決し、扉に向い直った瞬間、
肩に、背後から手が置かれた。
「ひゃうっ」
反射的に洩れた驚嘆に、背後の人間が
クスリと笑うのがわかった。
「カヅっちゃん、こんな所でどうしたの?」
「え…?」
振り返った花月の眼に映る、優しげな微笑み。
どこかで見たことある気もするが…
「あの…どなた…でしょう」
「あ、カヅっちゃんは 俺のこのカッコ初めてだっけ
銀次だよ」
「…ぎ、銀次さん!?」
「うん、この格好の時は ライって呼ばれるけど」

(え、だって銀次さんは ほわほわで、ふにゃーっと
してて お握り頬張って ぷにぷにで
可愛い人だと思ってたのに…かっこいい…
わ、 心臓がドキドキしてる。)

頬を上気させて、じっと自分を見上げる花月を
(うわー カヅっちゃんてやっぱり
美人だなぁ)と見返す銀次。

この光景を眺めた客が、カオルの前で喋ってしまった為
しばらく カオルに眼の敵にされた花月がいたらしい。

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銀ちゃんはウケですが、雷帝は攻めだと思ってます。
(ふーかさん これが『リバ』ですよ(笑)
ちなみに腐女子度チェックで良く 使われるのが
「攻めの反対は?」 受けと応えた貴方
充分腐女子です。正解は守るですよ(^_^;)