十兵衛が、偶然、笑師と遭遇している頃。。。。
花月は、夕食の買出しに来ていた。。。

今日は、十兵衛、わりと早く帰れるって言ってたから、、早く帰って仕度しなくっちゃ。。
そう思って歩いていたところ、、
二人組に声を掛けられる。。。。。

「ねぇ。彼女!ひとり?俺たちと遊ばない?」
いわゆるナンパだ。。
「い、、急いでますから。。」
「そう、言わないでさぁ〜〜〜ねぇ〜〜」
片方の男が花月の腕をつかむ。
「君、綺麗だね〜〜モデルさん???」
もう片方の男に逃げ道をふさがれる。
四方を塞がれ、自分ではどうしていいのか、、、、
こういうシチュエーションに不慣れな花月が懸命に身体を捩って抵抗する。
「は、、、放して」と、口にするのがやっとだ。。
と、、その時、花月の背後から声がした。

「あんたたち、その子、離しなさいよ!」
振り向くと、肌の浅黒い制服姿の少女が毅然と立っていた。

「なんだとてめ〜〜。邪魔すんなよ。俺たち、これからお茶飲みに行くんだからよ」
「なによ。その子、嫌がってるじゃないの!」
「うるせぇよ。てめ〜みたいな、男か女かもわからね〜ようなガキにはようはね〜んだよ!」
「なんですって!!!」
その女の子は、キレた。。
瞬間、催涙スプレーを取り出し、鮮やかな手つきで、すばやく男の顔に噴射する。。
あっという間の出来事だった。。。

「め、、眼が、、いてぇ!!!」
大のでかい男二人が、地べたにはいつくばって、蟲のようにうねる。
「このスプレーは、ただの催涙スプレーじゃないわよ。あたしのスペシャルブレンドv。今日1日は、眼が痛いと思うわ。これに懲りたら、もう嫌がってる子、むりやりナンパなんかしないことね!!」

「おぼえてろ!!」
ドラマさながらの台詞を言いながら、、涙ぼろぼろこぼし、ひぃひぃ言って去っていく二人組。。。

その後ろ姿を見送りつつ、、「ふん、莫迦ばっか!」とつぶやく少女。
「助かりました、、ありがとう。。。」
「いいえ、別に、、なんてことないわ。愚図な男みるとむかつくのよね!」

自分より、年下なのに、、しっかりしてるなぁ、、と感心していると、、
「あんたね!!」
強い口調にかわり、、大きい紫がかった瞳が花月を見据える。。
「は、、はい!!」
その雰囲気に圧倒されて、つい身体がこわばる。。。
「どこの田舎もんかわからないけど、、ここじゃ、つけ込まれたらお終いなのよ!!
お嬢様育ちも大概にして、もっと自分が綺麗だって自覚したら?
そんなにビラビラの格好してたら、どうぞ、襲ってくださいって、言って歩いてるようなものよ!!
あたしがたまたま通りかかったからいいようなものの。
いつも誰か助けてくれると思ったら大間違いよ!
自分の身は、、自分で守る努力しなさいよ!!
どうせ、いつもは、誰かが守ってくれてて、自分で自分のこと守ったこともないんでしょうけど!!
それじゃあね!気をつけて帰んなさい!」

そう言って、その少女は疾風のように去っていった。。
早口で、まくしたてられ、、一方的に叱られてしまった花月。
でも、彼女の言うことももっともだと思う。

「僕、、十兵衛に少し、頼りすぎてるかも。。。あまり、寄りかかったら、重たくなっちゃって。。十兵衛、、僕のこと、、、、嫌いになっちゃったりしないかな。。」
ふいに不安になる、、
少しは、十兵衛の負担にならないように、、自分でできることは、自分でしようと、、
心に誓う花月であったが。。。。。。。。
こういう精神的自立は、旦那にとっては少し寂しいものであるかもしれない。。
花月には、いつまでも頼られていたいと思っている十兵衛にとっては。。

「ふ〜〜ん。面白い偶然だね。あの二人がこんなとこで出会っちゃうなんてねvクスクス。これからも〜っと楽しくなりそうな予感v」
そうつぶやくのは、あの例の店長だ。。。
もちろん、今のやりとりも、彼のカメラに一部始終収められている。。。
たまたま、愛しの彼女をつけまわし、、、(もとい)
観察していたのだが、思わず、いい作品が撮れたらしい・・

今日の彼は、すこぶる満足そうだった。。。。

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ナンパ男に腕掴まれて「放して…」の花月が
めちゃめちゃ 食っちゃいたい…いやそのゲホゲホ
可憐で 可愛いです。 わーーい
卑弥呼ちゃんの制服姿だー 似合っててステキ〜
(しかし、一見コギャル風に見えるのは何故…?)
パヒュームの代りに、催眠スプレー! 上手い!!
そのアイデアに 感心しちゃいました