花月が、その罪悪感で、胸がいっぱいなのは、
十兵衛もよくわかっていた。。。
ぬぐってもぬぐっても、あふれ出てくる涙。。。。
これからは、ふたり、、茨の道を歩んでいくことになるかもしれない。。
〜俺が護るんだ〜絶対〜
そっと頬にふれると、花月の頬をつたう涙が、、自分の指にしたたりおちた。。
冷たい。。。。
身体が冷えきってしまっているのか、、、
何ももたずに、、、逃げるようにして、家を飛び出してきた自分達には、
今日の天候は、少し肌寒い。。。
まるで、これからの二人を暗示しているようなそんな不安にかられて、
十兵衛は思わず花月を強く抱き寄せた。。
「寒いだろう。。。。身体が冷たいぞ。。。。」
「ううん、ぜんぜん。。寒くないよ!!」
こんなに氷のように冷たい身体なのに、、心配させまいと、、やせ我慢をしている花月が、いじらしかった。。。
(。。。。。寒クナイワケナイジャナイカ!!)
やさしく頬をなで、花月の唇に自分の唇を重ねた。。。
冷たいとばかり思っていた花月のそれは、、、十兵衛の思惑とははずれて、
意外に暖かくかんじた。。。
春の雪溶けのように、、さっきかんじた不安が、、うそのように澄み渡っていく。。
こいつとなら、、、二人で歩んでいける。。。
ずっと、、ずっと、、。。。。。一緒に、、、、
小刻みにふるえる花月を抱きしめながら、、、十兵衛は、、命にかえても、、、花月を護ると、、改めて心に誓った。。。。

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「わー俊樹、みてみて!!僕の頭にちょうちょが止まったよぉ」
大きく動いてしまっては、、蝶が逃げてしまうのでは。。と一生懸命
身体を揺らさぬよう気をつけてつつ、、その反面ものすごく慌てて、
自分に教えようとしている花月を、とても愛しげに俊樹は見つめていた。
「きっと、花月のことが好きな蝶なんだね」
「え?このちょうちょ、僕のことが好きなの???」
「クス、きっとそうさ」
「そっかぁ〜〜〜。僕もちょうちょさん大好き。」
「んじゃ、相思相愛だね!」
「???そうしそおあい??」
俊樹の方が一歳お兄さんである。
どこで覚えてきたのか、、ちょっとませた事を言ってみた。
「どっちも好きってことだよ。蝶は花月を好きで、花月も蝶が好きなんだろ?
そういうのを相思相愛っていうんだよ」
「へ〜〜〜俊樹はいっぱい色んなこと知ってるね〜。ねぇねぇ、、
俊樹はぁ、僕のこと好き?」
と、いきなり。。言われて、、俊樹は耳まで赤くなるのを感じた。。。
「あ、、、あたりまえだろ、、、、」
「ね〜〜??好きなの??嫌いなの???」
しつっこく聞いてくる花月に、、大人の駆け引きなど存在するはずもない。
「・・・・・・・・・・好きだよ・・・きまってるだろ」
「ほんと??よかった〜〜〜」
いままでみたこともないくらい、、極上のくったくのない笑顔を向ける花月に、、
今度は、耳の穴まで赤くなってしまいそうだった。。。
「僕も俊樹のこと、、だいだいだ〜〜いすき!そおしそおあいだよね!」
ほんとに、意味がわかって言っているのか。。。。
早速覚えた言葉を使ってきた花月が、とてもかわいらしく、、いとおしく感じた。
このときかもしれない、、自分の感情が、
「友情」ではなく「愛情」だと気づいたのは。。。
まだ、幼くて、はっきりとそれを表すことができなかったかもしれないが。。。
このときの「好き」の意味がとても深かったことを、、、
後の俊樹は思い知らされることになる。。。
また、、二人、、出会わなければ。。。。。。。。。
くすぶっていた火が燃え上がるのに、、そう時間はかからなかった。。。。
もう、、ひきかえすことができないことを、、俊樹自身が一番よくわかっていた。。


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ふーかさんサイドのイラスト&小説です。 新婚以上にラブラブな十花〜 
駆落道行き紀行 互いの想い…
 こ、こんな愛し合ってる二人に、米屋など 乱入させてごめんなさ…と
思ってたのですが、次の瞬間 幼少俊花の PC前で思わずにやついてしまう
可愛らしさに「ビバ乱入!図々しいが、でかした自分!」
と転がりまわっちゃいました。
…うわーーーーーーー カワイ過ぎですよ 奥さんっ!!←昼メロ劇場なので
語りかけ対象を限定(笑)  蝶がとまってる花月も愛らしいのですが、それを
見守る 俊樹の表情の 優しい事っ!! 

 そして花月「相思相愛」発言!! 素敵過ぎる…
      こちらの 原寸イラスト 美花月亭様で 拝めますv