昼メロ劇場26

(…そうか…今日は十兵衛は 早番だったか)
配達が 花月の近所で在った為
つい ふらりと 寄ってしまった俊樹。

ほぼ無意識に 顔が見られる
あてもないのに、立ち寄ってしまう自分に
自嘲する。
今日は出なおそう、そう決意をした俊樹であったが
楽しそうな花月の笑い声が
扉の向こうから 僅かに響き、
つい 足を止めてしまう。

決して高級とは言えない住まいの為、
耳障りには ならぬ程度の音だが
それでも…楽しそうな様子。

が、次の瞬間…
歓声にも似た声は ピタリと止まり
静けさが 俊樹の耳へと沈む。
「…何か… あったのか!?」

心配の余り、お得意様御挨拶用
ビールグラスを、扉へ押しつける俊樹。
傍から見れば 滅茶苦茶アヤシイのだが
とりあえず、それは考えない。
そこで聞える
「こんな楽しい宴会でええんかい」
(…今の…声は 十兵衛…?
いや まさか…)
「…面白いよ…十兵衛…」

(……!)
花月は、こんな ベタなギャグが好みなのか!?
俺に…できるだろうか…
(真っ白な犬は、オモシロイ<尾も白い)
(いや…こんなのでは…駄目だ…
面白い…おもしろい…OH!モシロイ!!
…モシロイって 何だそれはーーっ!)

自分で自分をツッコム、俊樹の苦悩は
まだ 誰も知らない…

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ようやく 俊樹描けました!
おかしい…俊樹の為にはじめた
企画だったのに…(笑)

しかしながら、困った事に
まだまだ 皆を描きたいので
今回無理矢理 登場させちゃいました。