一方その頃
「…銀次さんですよね」
大き目のトートバックを肩に下げた通行人に、声をかけられ
銀次が顔を上げた。
「わ〜カヅっちゃんだ♪」
「今日は、十兵衛が早番だと聞いて…ちょうどこちらに
用があったのでお邪魔したのですが…」

 その十兵衛は、銀次の相方 蛮に半ば拉致されるように
鏡の元へと連れて行かれているのだが、そうとばらす
訳にもいかず、銀次の目が宙を泳ぐ。
「え、えーっとね、今日はちょっと 人手が足りないからって
(蛮ちゃんにだけど)別の場所に 連れてかれちゃったんだ」
「そうですか…。あ、でもそれとは別に 銀次さんにも用が
あったんです」
「え?俺に」
「はい ちょっと二人暮しには多すぎるほど米が
余ってしまいまして…。差し出がましいとは思ったのですが
お握りにしてきましたので、よろしかったら 召し上がって頂けませんか」

…一体どれほどの 米を貢いだのか、俊樹。


まだ日の高い 裏新宿。
そこでは 幸せそうに握り飯を頬張る
銀次とそれを微笑ましく見守る花月の姿が
見られたという…


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旦那側が連続で続いちゃったので
ちょっと息抜で 受ケ子ちゃんずを描いちゃいました。
ちなみに トートバックいっぱいのお握りは
全部銀ちゃんに食べられちゃいますでしょう(笑)