−十兵衛と花月宅−

干していた洗濯物をとりこむ。。。今日は、俊樹は来ないらしいなぁ。。
そんなことをぼんやり考えていると、、携帯の着信音が鳴った。。。

あ、、十兵衛??

駆け落ちしてでてきたのだから、、この携帯にかけてくる人物など、、正真正銘、一人に決まっている。

「はい?どうしたの?こんな時間に」
「すまない花月、、、お願いがあるのだが、、今日、客人を二人つれていく。。
すまぬが、、4人ぶんの食事を作って、待っていてはくれぬか?」

いきなりの申し出に、少し、びっくりはしたが、、十兵衛のつれてくるお客さんに興味もあったし、たまには大勢で食べたほうが、美味しいだろうし、
楽しいに違いないと、、花月は快く承諾した。

「いいよ!十兵衛。たくさん作っておくね!」
「ありがとう、、花月・・では、あとでな」

さて、買出しにいかなくっちゃ。。
うちも、裕福なわけではないし、これからのことを考えると、そんなに余裕もないので、、パリの三ツ星レストランのような豪華なもてなしはできないけど、、、
なるだけ、、安くて、ボリュームがあって、美味しいものを作ろう。。
この前、俊樹が持ってきてくれた、、お米があって、、
よかったぁ。。助かっちゃったv

−筑前煮・シーザーサラダ・肉野菜炒め・きんぴらごぼう・きのこの
トマトクリームパスタ・オムライス・あんかけ焼きそば・あさりのリゾット・
杏仁豆腐−ちょっとバイキング形式のレストランみたいに、、
一貫性がないメニューになっちゃったかな、、と思っているところに、、
チャイムが鳴った

ピンポーン☆

「はぁ〜い、今あけます〜〜〜」
☆がちゃ☆
 
「十兵衛!!おかえりなさい!!おつかれさま!!」
花月の笑顔で、、仕事の疲れもふっとぶ、、
「ただいま、、花月、、え〜っとこちらが、職場の同僚の、
、と紹介しかけたところで、、
くったくのない笑顔の金髪の青年が、ひょこっと顔をだす。。
「わぁ〜〜この人が十兵衛の奥さん??すごぉぉぉぉぉく綺麗だね〜〜〜。
想像以上だったよぉ〜〜」
そういいながら、花月の周りをぐるぐるまわる。。
まるで、でかい子犬がじゃれつくように。。

その光景に、あっけにとられていると、、遅れて、もう一人が顔を出した。。
今どき、、髪の毛をかためて、つんつんヘアーにした青年、、
ちょっと時代遅れかなぁ〜なんて思いはしたが、その顔立ちは、、
異国の血が混じっているのか、、とても端正で美しく、
不思議な瞳の色をしていた。

こちらが、美堂蛮くん、、それで、そっちが同僚の・・・・と、
十兵衛が言いかけたのだが、、
ふたたび、、金髪の青年に割って入られる。。
「あ!俺、天野銀次っていいます!銀次で呼び捨てでいいです!」

にこ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜と、笑う、その顔には、、
罪の意識などまったくなく、、
この子は天然なんだな、、と不思議に、なんでもゆるしてしまいたくなってしまう衝動にかられてしまう。

どうぞ、、何もないですけど、、ゆっくりしていってくださいね。
花月の言葉が二人の耳に入っただろうか??

「うわあぁ〜〜〜〜〜〜〜蛮ちゃあああん、、すごいよ、、
すごいごちそうだねぇ!!
これ、、食べていいの??全部食べていいの???」
4人ぶんで、、自分達の分も入っているなんて、、、、
よだれ垂らして、、目をうるませている銀次には言えやしなかった。。。
「え。。。えぇ。。もちろんです、、どう。。。ぞ・・・」
いい終わるのが早かったか、、、それとも、、、
二人が口に運ぶのが早かったのか、、
あばれ牛が突進してくるような猛スピードで、、
、二人ががつがつと食べ始めた。。

「あ、あのお二人共、、別にとったりはしませんから、、
ゆっくり召し上がってください」
−−−−花月の話など聞いちゃいない、、、、、−−−−
「こ、、こいつら、共働きで、、銀次は俺と同じ肉体労働だし、、
美堂はホストクラブに勤務だと聞いているのだが。。。
そんなに食べるものに困っているのか??」
あきれ顔で十兵衛が言う。。。。

そんな地獄絵図なさがらの、、
まるで餓鬼のようなふたりの食べっぷりに、、言葉もなく、、
ただただ見つめる、、、花月と十兵衛であった。。
二人がかる〜く4人分の食事を完食したことはいうまでもない。。。

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うわははは 一読者として、無心に食事をむさぼる
銀蛮二人組に、笑いました。 食べ物しか見えてないよ…
二人とも…。背後の 二人もナイスですが、 なんか
一生懸命食べてる 絵面がとても好きv

そして俊樹の米を、さっそく利用しちゃう花月と
子犬のような銀ちゃんが たまらなくかわいいです♪