昼メロ 劇場10 イラストはFragmentの凪月様
ありがとうございます〜

有りあわせの材料で、昼食用にと作ったサンドウィッチ。
中途半端に材料が余ってしまうので、
何種類も出来上がってしまった。
 焼ベーコンとトマト。これは食べづらいので 小さく
正方形に切る。
それから二つに長方形は
、胡瓜に塩をふったキューカンバーサンドウィチ。
それとツナマヨネーズレタスに、卵とハム。
ちょっと 食後に つまめるように
ホイップクリームでイチゴと小さく角切りした
キウィを挟んだ、フルーツサンド。
(…作りすぎちゃった…)
夕飯に廻す、という手もあるが
肉体労働で 疲れて帰ってくる十兵衛には
やはり 彼の好む米と味噌汁の夕食を
準備してあげたい。
「…しょうがない、明日にでも片付けよ」
 ピンポーン---
パサつかぬよう、ラップを取りかけたところで
チャイムが鳴った。
 
新婚とはいえ、日陰の暮らしをしている
十兵衛と花月に、客はほとんど無い。
 日頃から、十兵衛に
『扉を開ける前に、きちんと確認しろ』
と言われていることもあって、
玄関口で 立ち止まる。

「…どなたですか?」

回答はない。
不審に思った花月が、ドア越しに様子を見ようと
扉に 近づくと 同時に、

「…俺だが…」

小さな、だが しっかりと聞き取れる
低い声が返った。
「俊樹?」
慌てて チェーンを外し、ドアを開ける花月。

「…配達で近くまで 来たから
寄ったのだが…」

白レースの清楚可憐としかいいようのない、花月のエプロン姿に
俊樹の目が、まぶしく細められた。

「すまない。家事の途中だったか?」
「ううん、 今 料理が済んで…
そうだ 俊樹、もうお昼すませちゃった?」
 言い事を思い付いた、というように
無邪気な笑顔で、花月が首を傾げる。
「サンドウィッチ、作りすぎちゃったんだ。
よかったら お茶と一緒に 食べてって」

 にこっと (俊樹のみに見える)ピンクの大輪の薔薇を
背負った花月に 逆らえるものが 居るだろうか。
いや いない。 

「いや…しかし 筧が居ない家に…
俺が上がっては まずい…だろう」
 精一杯の理性で、建前を述べる俊樹。

だが、外との交流もなく、ひと恋しさに
浸っていた花月は そんな俊樹の葛藤にも気付かない。

「…だめ?」

駄目なはずないっ!! しかし 今の俺は一介の米屋!!
村雨流の後嗣としての 恵まれた生活も
約束できないんだ(←すでに旦那の十兵衛のことは忘れてる)
う…そんな 潤んだ 瞳で… こちらを 見ないでくれ

花月…そんなに 俺を誘うな…

 妄想に爆走中の俊樹の、理性が負けるのは
秒読み段階に入っていた。

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まさに 昼メロ的 ワンシーン(笑)
ところで うちのは何度も変換してるにも関わらず
昼メロ激情と出ます。 俊樹的にはあってるような…