【not純愛バレンタイン】の別ルートR-18バージョン

注意!!小スカ(特殊性癖・この言葉の意味が解らないならやめるべき)表現があります
読む人を選ぶネタです
別ルートであって、お話はnot純愛バレンタインの省略した箇所とかではありません

それでもよければどうぞ

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**注意!**
特殊な嗜好ネタが入り込んでおりますので、キャプション読んで、それでもオッケー寿一!な心広い方、お進み下さい
単語の意味がちょっとわかんないという、ピュアな方は、引き返されることをおすすめ致します


非・純愛ヴァレンタイン
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東堂が焦燥を覚えていたのには、訳がある。
ある日、眠りを邪魔するように頬につめたい何かが当たり、ゆっくりと目蓋を持ち上げれば、涙を流す巻島がそこにいた。
どうしたのだと尋ねても、首を振るだけで、答えようとしない。

いつもであれば、自分にだけは見せる自然な微笑みを不自然にこわばらせ、思いつめたようにただ東堂を見つめていた。
それ以来、巻島の様子はおかしかった。

東堂の嫉妬を煽るような行動を慎むようになったばかりか、別段咎めもしていなかった単なる飲み会まで、巻島は参加をしないようになっている。
あれをしろ、これをしろと命じれば、露骨にいやな顔をして「お前はオレの母親か」と反発をしていたのに、それすらしない。

――巻ちゃんはオレの内側を覗くのが、好きだったのに

本人は気づかれていないと思っているようだが、東堂の思いは、自惚れではない。
何事もソツなくこなす東堂は、自分の抱えるドロドロした部分を巻島に見せるのを避けていたが、巻島は好んでそういった部分を知りたがった。
下種な行動に眉をひそめれば、うっとりとした様子で東堂を見上げる。
巻島が嫉妬をかき立て挑発をすれば、獰猛な衝動を隠すことは出来ない。

その白い喉元に噛み付いて、苦々しい思いを叩きつけるように物言いたげに動揺する細い体を、抱きとめる。
困惑と戸惑いに包まれながらも、潤む巻島の目は正直だった。
支配されていることを喜ぶように、小さく震え、東堂へと指を伸ばす。
逃げられないように掴まえれば、弱々しく「嫌だ」なんて言う。
頼りなげにごめんなさいと紡ぐのを、嘘だと否定して喰らう快楽。

……ともに暮らしても愛しさは募るばかりで、凶暴な熱はいつまでも収まることはない。

(巻ちゃんは、…そんなオレを厭いたとでも言うのだろうか…)
幾らともに過ごそうとも、巻島への思いは滾りこそすれ、落ち着こうとしない。
もはや愛とも執着ともつかぬ化け物に変化した感情は、それでも巻島が傍にいてさえくれれば、制御できていた。

巻島の行動が、過去の一時のそれと重なり、東堂はぞっとした。
どこか切なそうに、無理やり作った笑い。困ったみたいに、無理やり微笑み、言葉がヘタだと寡黙になる。
それでいて、縋るように追いかけてくる目線。

巻島が渡英を東堂に言い出せず、煩悶していた時期に見せていた行動だ。
……では、今見せている色々な動作は?

…巻ちゃんがオレと別れようとしている……?
暗闇が覆うように、東堂の視界を世界から断ち切り、真っ黒に染め上げる。

――嫌だ。 嫌だ、嫌だいやだいやだいやだいやだ!

認めるものか、認められるものか!今更巻ちゃんがオレから離れていくなんて
あの頃だって、身を切り裂かれる思いで別れるのを受け入れ、再会して奪うように手に入れて、もう二度と離さないと決めている
巻ちゃんはオレのだ、たとえ嫌われていたってその分オレが愛するから構わない

繋がりを立つ真似なんて、させてやらない。別の道を選ばせてなんてやらない。
………だから巻ちゃん……、おかしな事は言わないでくれ……。

おかしな事をしようとしているのは、オレだ。
そう思いながらも、ベッド横の簡易棚の隅にある小箱に、巻島には言えない小道具が、少しずつ増えていく。
紅い首輪、頑丈なロープ、媚薬要素を含んだローション、猿轡は悩んだけれど黒絹の長い布を用意した。

どれも艶やかさと色気に包まれた、巻ちゃんには似合いそうだと東堂が暗い光を宿し、色濃い双眸を細めてそれらを眺めていた。
実際に使うことがなければいい、と願いながら。
こんな小道具を使われた巻ちゃんは、屈辱にまみれた顔を見せるのだろうか。
腰を跳ね上げて、逃げようとする巻ちゃんを、力尽くで押し返す。
ハァと濡れたような吐息の幻聴が聞こえ、東堂は自虐的に笑った。

それから数日経ても、巻島の様子は変わらなかった。
常に東堂を窺うように行動し、何かを言われても他人行儀なぐらいに丁寧に、受け止める。
自分と常に向かい合おうとする、巻島裕介はそこにはいない。
バレンタインデーを迎えた日も、甘い様子はなく、巻島は緊張を湛えた表情で、そこにいた。

「…何かオレに隠し事をしていないか、裕介」
突きつけるような東堂に、巻島はビクリと反応し、青ざめた顔で東堂を見返した。
「あ…あの…東堂……オレ……」
落ち着きなくまばたきを繰り返した巻島は、うつむき、睫毛を伏せた。

――まさか、本気でオレに別れ話を持ち出すつもりだろうか、ダメだ、認めない

巻島が口を開くのが怖くて、大股で距離を縮め、その手首を掴み、掌で唇を塞いだ。
「んっ!?」
東堂の意図がつかめず、巻島が呆然としているのをいいことに、寝室へ連れ込み、投げるようにベッドへと押し倒した。
「巻ちゃん、……ならんよ 無理だ」
「東堂、なに……待って……お前……」
巻島の細いウェストを締めているベルトを抜き、両手首を背後で戒めた。

何も言わせたくなくて、口奥に布をさしこみ、背後で結べば、巻島は絶望的に目を瞠っていた。
「んっ……んぅっ……」
小さく震えながら、首を振って巻島が訴えようとしている言葉を、東堂は聞くつもりはない。
まだ言葉でオレを宥められるつもりでいるなら、滑稽だぞ、巻ちゃん…と戸惑う相手に、東堂は冷え切った目線を落す。
巻島が状況判断もできずにいるのをいいことに、すかさずスキニーパンツを剥ぎ取り、腿とふくらはぎを結びつけるようにロープで緊縛して、逃げられないようにした。
逃亡の足を奪うためだったが、脚の合間に東堂が存在するせいで、巻島はM字に開脚をするという痴態を晒す羽目になり、瞬時に頬を紅潮させた。

「ハハッ……巻ちゃん……標本にされた虫みてえ……」
無理強いをしているというのに、凶暴な熱は高まるばかりだった。
乱れない上半身と、剥かれた下半身の落差が、ひどく淫靡で、東堂はゆっくりとその白い肌を眺めいった。
すがるようなその目つきに、胸の奥がカッとなる。
巻島には優しく、穏やかに接していたいのに、傍にいれば欲しいという思いばかりに凌駕された。
「んんっ……」
首を懸命にふる、その仕草も捕らえられた、極上の獲物にしか見えない。

「なあ巻ちゃん……オレ以外の誰も与えてやれぬほどの快楽を教えてやろう」
だから、オレから逃げようなんて思わないで。
ホワイトパールのシャツをめくり上げて、胸の色づいた部分を曝け出させる。
急に露わになった先端は、気温差で尖り、逃げようと背を反らすさまが、まるで舐めてくれと誘っているみたいだ。

東堂のあやうさを孕んだ目が、細められて、むしゃぶりつくように、突起に吸い付かれる。
「んっ…んん」
熱い視線は、刺激に火照る肌を観察するように凝視し、巻島の怯えと、隠しきれないざわめきを生まれさせた。
ぴちゃぴちゃと、わざと音をさせ、可哀想なほどに感じやすい巻島を、愉悦へと落とし込む。
首を振りながらも、布の隙間から漏れる嬌声は鼻にかかって甘く、その声を恥じるみたいに、巻島の目は潤んでいった。
「…巻ちゃん、気持ちいいのだろう?」
ふっと先端に息を吹きかければ、びくりと腰が揺れる。
ぬらついた乳首を指で摘み、捏ね上げればそのたびに、くぐもった呻きが喉奥から響き、この音を奏でているのは自分だと、東堂を陶酔させる。
「オレが舐める前からもうこんなコリコリさせて、…やらしいなぁ巻ちゃん 一人で触ったりしてるのか?」
「……っ!」
いわれもない侮辱を受けたみたいに、巻島が傷ついた顔をするのすら、ひどく東堂をいい気分にさせる。
「そんな真似しなくても、オレがいつでも可愛がってあげるのに」
東堂は軽く歯を立て、尖らせた舌先で、なおも巻島の胸を責め立てていた。

恥じるみたいに目蓋を伏せたのは、巻島の形を変えたささやかな抵抗かもしれないが、それは東堂を煽るだけだ。
なおもとがらせた先端を、唇で弄りながら東堂は右手を、巻島の脈打つ中心へを移していく。
内腿を震わせながらも、東堂の手の中で、巻島自身が徐々に硬みを増す。
濃い紫とスカイブルーのツートンカラーのボクサーパンツは、溢れた露を吸って中央部のみ色が濃く変化していた。

下着を脱がせず、わざと布越しに、何度もゆっくりと撫で上げる。
「ふっ……んんっ……」
じれったいように、腰を揺らす巻島の淫らなさまを、東堂は食いつくように眺めいっていた。
「巻ちゃん、胸とこっち…どちらをもっといじって欲しい?」
乳首を指で挟み、搾乳するように引いたかと思えば、大きく開いた巻島の脚の合間の濡れた布地を、東堂は舌先でつつき、刺激を与える。
「うっ…ん……」
「ああ、すまんね巻ちゃん 口を塞がれていては答えられんな ならばオレの問いに頷いてくれればいい」
言いながら東堂は「こっちか?」と胸元をさする。
巻島が答えずにいると、今度は股間を指先でやわやわと愛撫し、「こちらか?」と尋ねる。
胸に吸い付かれるたびに、東堂に触れられるたびに、巻島の体はあえぐみたいに息を洩らし、敏感に体をくねらせ、濡れていく。

だがどちらの質問もあんまりで、巻島はただ首を振ることしかできなかった。

「やれやれ、あれも嫌だこれも嫌だ…我侭だな、巻ちゃんは」
顔を上げて巻島を覗きこんだ東堂は、無意識に腿を閉じようとする巻島を、ことさらに力でねじ伏せた。
「ならば…いつもオレを愛らしく待ちわびている箇所を、めでてやろう」
ぬめる箇所を触れられ、巻島が身をよじろうとしても、無駄な抵抗だ。
「じっとしていてくれ、巻ちゃん危ないからな」
本気で巻島の身を案じている、優しい東堂の声が、巻島には怖かった。
脚を広げられ、取り去るのが難しい下着に、東堂はハサミを当てる。
ショキンッという金属音と、冷たい刃の感覚に巻島が肌を粟立たせても、東堂の楽しげな表情は変わらなかった。
何度か聞こえたハサミの音が止まると、巻島はシャツは胸元までめくり上げられ、下肢は靴下だけという、どうしようもない淫らな姿にされていた。
「こういう脱がし方も、楽しいものだな」
上機嫌な東堂は、それでも視線に危険な熱をはらんでいて、目線でも巻島を犯していた。
「ふっ……うっ…」
上ずった声で、苦しさを訴える巻島は、情けなくてついに涙を溢れ出させる。
好きな相手に、なぜこんな目にあわされているのだろう。
…反省するのが遅すぎたのだろうか。
東堂を嫉妬させて、自分だけに見せてくれる表情が好きだった。
形良い唇をゆがめ、憎いみたいに睨みながらそれでも、執着してしまうと告げる東堂。
だがそれは、一方的に傷つけているだけの行為だと気がついたから、改めるようにした。
東堂に快適に暮らしてもらえるよう、折れるところは折れて、自我を張るのもやめていたのに、その時間が長引くほど、生活がギクシャクしていった。
もう別れを、告げられてしまうみたいだと、巻島はうっすらと覚悟を決める。

『無理だ』と言い切った東堂は、最後に自分を傷つけたくて、きっとこんな真似をしているのだろう。
悔しくて、哀しくて、切ないのに、東堂がまだ自分を求めてくれていることに、僅かな歓びを感じてしまった。
じわりと、快楽が体の中心部から湧きあがり、巻島は自虐的に首を振った。

さげすまれて嬲られているのに、東堂の愛撫に、悩ましげに全身がわななく。
謝る手段すらふさがれ、東堂に支配されるのだと思えば、ぞくりと愉悦とも怯えともつかぬ感覚が巻島の背を走る。
寒いように震える肌を、東堂の掌はさもいとおしげに、伝い撫でていた。
「巻ちゃん、今年はオレがチョコレートを用意したよ」
片手で巻島を抑えながら、歯を立てるようにピンクのリボンをほどき、東堂はラッピングを乱暴に裂いている。
不器用な巻島が、ラッピングを破くのを、本来ならば丁寧にテープを外して、梱包を解くのが東堂の役割のはずだったのに。

小粒のチョコレートが正方形の濃茶の箱に、幾つも並べられていた。
どれも一粒ずつデザインが違い、可愛らしい中にも高級感が溢れるもので、それなりの値段がうかがい知れる。
食べろ、というのだろうか。

だが今は東堂のせいで、口には布を押し込まれ、他の物を入れる余地などない。
それともこの息苦しさから、解放されるのかという巻島の淡い期待は、すぐに裏切られた。
「…オレが手ずから、食べさせてやろう」
眦を細めた東堂が、ことさらに巻島の脚を大きく開かせた。
「んっ……んんっ!?んーーー」
チョコレートを摘んだ東堂の指先は、巻島の昂ぶりの先端を辿り、そのまま下りていくと、敏感な粘膜の窄まり部分で止まった。
異物を感じた窪みが脈打ち、小さく窄まるのを東堂は笑いながら見ていた。
「んんっ!!んぅっ!」
巻島が激しく首を振って否定しても、チョコレートはゆっくりと巻島の内部に沈められていく。
耐え難く思った巻島が、身をよじろうとすれば、逆らうなとばかり1粒目は無理やりそのまま押し込まれた。

「美味しいか、巻ちゃん? プライド高い巻ちゃんに素面のままこの行為はつらいだろうからな、オレからのプレゼントだ」
アルコールといえば、通常飲料として摂取し酔いを楽しむものだが、もっとも効率高く酔いたいのであれば、直腸からの摂取が一番なのだと東堂は囁く。
このチョコレートには、アルコール濃度の高いリキュールが詰まっているから、巻ちゃんもすぐ酔えるだろうよと悪戯めいて言う東堂は、二粒目を摘む。
「んっ!ふっ……ぅ…」
狂ったように首を振る巻島に、眉をしかめた東堂は、今度は時間をかけずに無理に巻島へとチョコレートを収める。
ガクガクと指先まで震え、巻島が涙をこぼし始めても、東堂は執拗に巻島を異物で犯し続けた。

なかば溶け出してきたチョコレートが、内部でゆるりと動き出すのがわかる。
そろそろ使い慣れたローションと違い、半分は固体の性質を持ったまま、どろどろと腸壁を汚し動くようで、それは排泄の感覚にどこか似ていた。
もういっぱいで、これ以上は入らないという箇所まで、東堂はチョコレートを詰め込み、巻島が動けぬ体で抵抗をすればするほど、無理強いは長引いていた。
鈍い腹部の痛みと、喉元まで来そうな嘔吐感と裏腹に、部屋内の香りはただただ甘い。

「ふっ………んんっ……」
溶けたチョコレートが、あふれ出さないように下腹部に力を入れれば、狭められた入口でチョコレートがまた、形を崩す。
油断をすれば、きっとトロトロと溢れてきて、巻島の肌ばかりか白い清潔なシーツまで、汚してしまうに違いない。
息を荒く、唾液で息も通らなくなった布地を噛み締めながら、巻島は苦しみでぼろぼろと涙を流していた。
「だいぶ、アルコールが回ってきたみたいだな」
「……っん……う……」
「なあ巻ちゃん、ほどいてやろうか? 脚のロープと口」
ぼんやりとしながらも、東堂の言葉に巻島は聞き入っていた。
この鈍痛から少しでも苦しさが減るのなら、それだけでも随分と増しだ。
だが東堂はもちろん、ただ解放してやるだけのつもりはなく、条件をつける。
「巻ちゃん、オレを拒否しようとしたり逆らうようならば…」
続きを曖昧にしているが、これ以上のお仕置きなんてないだろうと、巻島はただただ、首を縦に振った。

猿轡をとかれ、新鮮な空気が肺に入り込む。
その新しい空気の冷たさが、あらたな腹部の煽動を呼び、巻島は反射的に腿を合わせてしまった。
「…巻ちゃん、オレは脚を閉じていいとは言ってないぞ」
ペナルティだ、と東堂がまた一つチョコレートを掴んだのを見て、巻島は血の気を引いた。
しかし醜態を晒さぬよう、苦悩する巻島の体は、自然と痛みを逃す体勢を取ってしまい、脚を開くのは難しかった。
「あ、ちがっ……やっ……やだっ……東堂……」
「……オレは拒否をするなと言ったはずだ それともわざともっと食べさせて欲しいとねだっているのか」
「や……あっ… お願……っ……あっ!」

そんな訳はないとわかっていながら、東堂は空いた片手で巻島の顎を捉え、舌の裏を舐めとり吸い取った。
その優しさに満ちた口接けとは裏腹に、チョコを摘んだ手の甲で東堂は巻島の下腹部を圧迫し、悲鳴を奪う。
「あっ……押す……な……ちがっ……!…押さないで……ダメ…東堂、お腹痛いっ……あっ……ひっ…!」
我慢しきれず、ほんの少し力を緩めた瞬間、一筋の茶色い液体が、窄まりからはみ出していた。
つと、敏感な薄い皮膚に何かを伝うのを感じ、巻島は息を飲んだ。
「あっ……やっ……やあ……」
醜態を晒したくなくて、巻島が何度も首を振り、赤面しながら羞恥の涙を流した。

「……ひぁっ……東堂、無理っ……むり…… 離してっ……トイレ……」
「ああ、巻ちゃん考えたな 無理…というのであれば、オレを否定する言葉にはならない」
優しい言葉で、それでも東堂はまた一つ、チョコレートを巻島の下肢へと埋め込んでいった。
「あっ…… !無理っ……東堂………ひぁっ!!おねが……お願い……」
恐慌状態になった巻島が、今の苦しみが目の前の人物のせいだというのも、忘れた勢いで、眉根を寄せ涙を流しながら、必死で頼み込む。
異物を排出したがる奥まった襞を、きゅっと締めようとすれば、東堂が指先で表面を押すように刺激し、巻島の些細な抵抗を戒めていた。

くぷ、といやらしい音が下腹部から聞こえ、巻島が羞恥で悲鳴のようにすすりなく。
熱い体内から漏れる、とろとろになったチョコレートを掬って、巻島の白い肌を汚すみたいに、擦りつけた。
「ふっ…あ……いや……いやあ……っ」
ぽろぽろと溢れた涙が、巻島の頬を幾筋も伝い、東堂はうっとりと舌先で拭う。
「恥ずかしがる巻ちゃんは、本当に愛らしいな」
そして最後の一粒をまた指先で摘んだのを見て、巻島は目の前が真っ暗になる思いがした。

めいいっぱい下腹部に詰め込まれた異物は、入口付近ではまた固形のままで、コツコツと内壁に刺激を与え、その隙間から溶けたものが、押し寄せてくる。
「やぁ…っ… 出ちゃ……出ちゃう…… お腹痛いショ あ…っ」
下から詰め込まれたものであっても、下腹部が排出したいという欲求は変わらぬらしく、巻島が喘ぎにも似た嘆願で、東堂に懇願するが、東堂の愉悦に満ちた笑みで否定されるだけだった。
「出しちゃえよ 見ててやるから」
「……や……」
この瞬間にも、チョコレートはとろりと溢れでそうだ。
「んっ……ふぁっ……くるしっ……東堂、東堂……見な…、見ないで……ひっ……!」
「ハッ……巻ちゃん 粗相をしちゃったみたいだな」
残酷な東堂の言葉も、ねっとりと生々しい感覚に粘膜を支配されている巻島には届いていない。

巻島の願いとは裏腹に、半液体となったチョコレートは、襞の隙間からゆっくり滲んでいくのが巻島には解った。
それにともない、まだ形が崩れぬものまで入口付近にまで下りてきてしまい、巻島が懸命に耐えれば薄く開いたピンクの肉壁に囲まれた、チョコレートの一部が姿をあらわそうとしていた。
「あっ……あ……」
こんなところで、嫌だ、恥ずかしい、つらい、苦しい…東堂に見られたく、ない、お願いだから見ないで。

「ごめっ……ごめんなさ……… ヒッ…あっ…あぁっ……ゆ、許して、ごめ……東堂……見ないで……」
半固形のが出口を広げたせいで、隙間から溶けたものが一度溢れてしまえば、それは次の液体を次々に誘う。
体の内側から直接吸収されたアルコールで、酩酊している巻島は、泣きじゃくりながら、自分の顔を見られたくなくて背けるので精一杯だった。

視線で射抜くように巻島を見据えている東堂は、かつてないほどの高揚を感じていた。
「巻ちゃん、大丈夫だよ」
「ゆ、許し……痛いっ…… ぁ……っふ… ご、ごめんなさ……許して……東堂……」
あの真夏の、最高の一瞬に負けぬほど頭の芯まで痺れさせる、息詰るほどの快楽。
餓えた肉食獣が、獲物に牙を立てる一瞬は、こんな気分を味わっているのだろうか。

嫌だという拒否を封じられた巻島が、「ごめんなさい」「許して」と繰り返す。
卑屈なようにみえて、実は意に介さぬ人物の評価などまるで気にしていないだけの巻島だが、内はプライド高い人間だ。
その巻島が、ただただ幼い幼い子供みたいに、自分に縋るのはこの上ない歓喜だった。
「イイ子だね巻ちゃん ちゃんとオレを拒まない言葉を選んでいる」
だから、ご褒美を上げよう。

そう言った東堂は、頭を巻島の開いた脚の中心部に落し、甘い香りを放つ襞を指でかきわけた。
挟み込まれていたチョコレートは、固形のままぽとりとベッドシーツに転がり落ちる。
東堂の硬くなった指先が、ぐずぐずになりかけていた半固形のものまで、液体に変えてしまい、腹腔に新しい異物感を与えた。
隙間なくみっしりと詰まっていく感覚が、また排泄感を誘い、巻島の下腹部を鈍い痛みで満たす。

出してしまいたい、苦しい、見られたくない、恥ずかしい…羞恥と苦しみで、巻島は口端から唾液があふれ出して、うわ言のように許しを請うしかできない。

「あっ……ひっ……許しっ……許して……東堂!! トイレ、トイレ行きたい……ここ、無理ショあ…っ」
「大丈夫 汚したくないんだろ だったらじっとしてて」
解らせるように、これ見よがしに巻島の両腿を持ち広げた東堂は、ぬめり伝う茶色い滴を舌で掬った。
「ひっ……!」
ピンクの襞がめくられ、ひくひくと窄まる。茶色く染められている様子が汚穢で、それでいて綺麗で東堂は舌を奥へと潜り込ませていった。

――ダメだ、汚い、嫌だ そう言いたくても、東堂はそのどれも、禁じていた。

ぴちゃぴちゃとわざと下卑た音を立て、ほぐすように、チョコレートを舐め取られていく。
「……っ……も……ゆるし…… ひっ……」
「甘いよ巻ちゃん 今まで食べてきたどんなチョコより……すげえ甘い」
ぬめる舌は、柔らかい内腿や双球にまでチョコレートを塗り広げては、舌と唇で包む。
巻島の意志に反して、緩められた孔は熱で溶けた物質を、押し出そうとして、はくはくと動き、巻島は東堂の眼前で強制的な、擬似排泄行為をじっと見られていた。

それでも後ろ手に縛られていなかったら、まだ逃げられたかもしれない。
だが、無意識に腰を浮かせシーツの上で後退をしても、ほとんど事態は変わることはなかった。
むしろその罰だとばかりに、いっそうに巻島に恥辱をもたらす行為が強いられる。
「嫌だ」と口にしてしまえば、パシッと掌で白い臀部は打たれ、うっすらと手形がピンクに染まる。

巻島にとってはひどく屈辱で哀しいことであるはずなのに、東堂に嬲られるほど、腰の辺りが疼いてきていて、せり上がった昂ぶりは蜜を滴らせ始めていた。
ひくひくと蠢く巻島の狭間は、誘うみたいにチョコを舐め取る東堂の舌を咥え込む。

「がっつくなよ、巻ちゃん」
「ちがっ…… 違うショ、体が、勝手に……あっ……」
「……巻ちゃんがいっぱい食べてくれたからな、流石に全部を舐めきるのは無理なようだ」
そう言った東堂に、硬い指を押し入れられて、チョコレートを掻きだしはじめた。
過敏になっていた巻島は、そんな僅かな動作でたやすく達してしまった。
「許しっ……あっ…ぁ!……イっちゃう…… 東堂ぉ…ふぁっ……出ちゃう、出ちゃうショ やっあ…っ」
「いいよ ほらもっと出して……」
巻ちゃんは、オレの下で泣いている時が、一番かわいい。
何も考えられずにすがって、懇願して、誰にも見せたことない淫らな姿を晒すのに、清らかで踏みにじりたくなる。
「出ちゃう……ダメ……あっ……ああ!」
くぷくぷと溢れ出す異物に、後ろ腔は収縮を繰り返し、排泄の開放感は快楽の波となって巻島を翻弄した。
そこからはもう、覚えていない。

酔った頭で、うつろに記憶しているのは、頭が真っ白になりそうな刺激を何度も与えられ、最初とは異なる甘さを滲ませた許しを幾度なく乞うても、ひたすら貪られたこと。
じわじわと刺激を与えられ、疼いた巻島が動揺するのを楽しむみたいに、くぼみの縁をめくり張り詰めた剛直をゆっくりと埋められたこと。
ふつふつと沸騰したような血液が体中を満たし、敏感な体は東堂の一挙一動に、恍惚とさせられて、東堂を無意識に締め付ける。

「あ……ふっ…東堂……」
「巻ちゃん、気持ち良さそうだな …男に抱かれて…オレの為に歓びしか感じない体になった気分はどうだ?」
「わ、わかんな……あっ…… あぁ…んっ…ふぁ 東堂……」
こんなに酷い扱いを受けているのに、まだ東堂を好きだと思ってしまう自分はもう、末期だ。
東堂の熱い吐息が直接、耳へと注がれ、体に甘い痺れが走る。
強く押さえ込まれ、揺すぶられ、満たされて、また涙が睫毛を濡らした。

「東堂ぉ… なんで、もう……無理って…… オレと……」
これ以上関係を続けるのが、無理だというのならば、もう離れてくれ。
自分が求められているみたいに、勘違いをしてしまうからと、悩ましげに腰を振る巻島が訴えれば、東堂は目を瞠った。
「……巻ちゃん……オレは、お前を手放すのが無理だと言ったのだが……」
巻島の先端からこぼれそうな滴で、くびれをなんども刺激する東堂は、息を乱しながらも、はっきりと言った。
「あ……えっ……じゃあ…… あっ…!」
縛られたままの腕のせいで、東堂に抱きつけないのが、これほど哀しいことはなかった。
ズプズプと卑猥な水音が、何度も響き、そのたび巻島の全身を支配する。
「甘いな、巻ちゃん」
東堂の苦笑するみたいないい振りは、物理的なものをさしているのか、見通しの甘さを指しているのかわからない。
東堂の言葉に、緊張がほどけ、まだ溶けきっていない半固体すら、とどめられなくなりそうだ。
「……っ……」
一度こぼれてしまったチョコレートは、もう止めようがなかった。
強張っていた下肢を、感覚のまま自由にさせれば、じんわりと溶け流れてくる。
「あ……見な……いで 東堂、見ちゃ…やっァ!」
物が這い伝う感覚が、生理的に背筋をぞくりとさせ、はしたない姿をもう巻島はコントロールできなかった。
東堂自身を塗布し、甘い香りを充満させ、白い肌をシミのように汚す。
「ふ…… も……許し……」
懇願ではなく、甘えのような掠れた吐息で、潤んだ瞳を向けても、受け入れられない。
「ならんよ、これはオレのチョコレートだ」
飽きることなく、東はが指で舌で巻島を躍らせ、巻島を堪能していた。

「ひっ……イク……東堂…… イッちゃう……ああっ……!気持ち、気持ちいいショ……」
「いいぜ巻ちゃん、イけよ……」
根元を握られたまま、腰を突き入れられた巻島は、背筋を反らし登りつめた。
それでも東堂は、膝をいっそうに広げ、より深く巻島へと快楽を埋め込んでくる。
「ふっ……もう……んあっ…… とうど……ヘンになっ……ああっ やっ!」
「……嫌は禁止だと、もう忘れたか? 巻ちゃんは本当にうっかりだな」
一段低くなった声で、東堂は巻島を抱き上げ、膝の上へ座らせるように位置を変える。
「あっく…東堂!ダメっ 汚れ……離し……出る……出ちゃう……ダメ……!」
小刻みに揺れながら、それでも下腹部を屹立させ、チョコを溢れさせる姿を見られたくないと、巻島は泣く。
「離してなどやらん、と何度言えばわかるのだろうな」
無理に笑いを刻んだみたいに、眼差しを伏せた東堂は、巻島の頬を伝う滴を、唇で拭った。

「ひあっ……あっ……許しっ…… もう……無理ショォ……っ!あっ…」
「巻ちゃんっ……!」
自重でずぶずぶと体は沈み、巻島の体内に残るチョコレートが重力で東堂の性器や下肢を、染め上げていく。
東堂を受けれた窪みは、貫かれるまま、それでもまだ欲しいように収縮し、誘いこんでいる。
異物の掻痒感が残る不快な体内を圧迫され、かゆみを掻き毟るような、気持ちのよさがじわじわと全身を統べようとしていた。
喘ぎを噛み殺そうとしても、それは艶やかな吐息にかわり、執拗な愛撫を招くだけでしかない。
どろりとした半固体と、体液が交わり、潤滑油のように交接部をとろとろに溶解させる。
体の中に猛り脈打つ東堂の存在が感じられ、巻島の思考を奪っていく。

「あっ…気持ち……いい…… あっ東堂……! ひっ……許し……」
「……無理、だ オレも……イく」
「あっ! とうど……!」
一度達して敏感になっている巻島が、懇願するように逃げをうっても、東堂は巻島が気を失うまで揺さぶり続けていた。

目覚めた時は、全身が清められ、チョコでドロドロになったシーツはどこかへ始末されていた。
「……最悪ショ」
「謝らんぞ オレがこれだけ愛を示しているのに、疑う巻ちゃんがどうかしている」
「…オレが、ちょっと態度反省したらその言い草かよ……今年はお前にチョコレートなんてやんねえ」
まだ目を紅く腫らしている巻島が、意趣返しとばかりに東堂をねめつけるが、当人は苦笑して肩を竦める。
「もう充分に貰ったが? 巻ちゃんの……こちらから口移しでな」
そういいながら、東堂は腰に回した手の上から、臀部を撫で双丘の奥へと指を差し入れた。

「……へ、変態!死刑ショ!!」
「巻ちゃんがオレから離れられんように、写真を撮って脅迫材料を残し損ねたのが、かえすがえすも残念だ」
冗談半分、だが真剣さも半分篭められた東堂の声に、巻島は頭痛がすると、こめかみを揉んだ。
「……オレも、お前のなんか弱味握っておかねえと、いざって時が怖ェショ…」
「なんだ巻ちゃんすでに充分握っているではないか オレの惚れた弱味をな!」
「上手いこと言ったって感じの、そのドヤ顔がムカつくショォ……」

「巻ちゃんを被害者にしておけば、もう一つメリットはある」
「…聞きたくネエけど、一応聞いてやるショ」
「いつもオレ達の終りを巻ちゃんは考えているだろう そうだな…一番具体的に恐れいているのは、オレの両親や姉が『尽八と別れて下さい』と言ってきたら、身を引こう…だとか」
口にしたことはないのに、東堂は巻島の意図を充分に察していた。
東堂を大事に思うからこそ、自分が消えれば、もっとこいつは幸せになれるのではないかと考えてしまうのだ。

「だがそんな時巻ちゃんはこう言えばいい『オレは東堂に無理やり人には言えない姿にされた写真を撮られて、脅迫されてつきあっている』と」
「……お前、オレより色々終わってるショ」
「かもしれんな」
そう言って東堂はもう一度、別れてやるつもりも手離してやるつもりもないから、覚悟しておけと笑う。

巻島の『東堂に冷たくしたかもしれないから、反省するキャンペーン』は、おそらくもう二度と行われない。