【総北箱学合宿日記】箱学モブ男の独白



箱学1年モブ男の告白
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わが校の自転車競技部は、イケメンぞろいインハイの覇者、王者の異名を持つ、全国的にもすばらしい部活です。
ただし、そのイケメンぞろいの先輩たちは、なぜかそろいも揃って残念なイケメン、略してザンメンでした。

それを実感したのは、千葉の総北高校と合同練習での事です。
合同練習といっても、互いに約束をした訳ではなく、たまたま合宿日程が重なったというのが正解でしょう。
全国的にも、自転車競技対応合宿施設というのはそう多くないので、大会日などの調整を考えると、こんな事があっても不思議ではありません。

合宿中に、あこがれの先輩たちが、憧れるのはやめないけれど、もったいない人だと感じた行動は、下記の通りです。

まず新開先輩は、見るたびに違うパワーバーを咥えていました。
最短記録では、食堂でのテーブルから定食を取りに行って、戻ってくると言う超短距離で、バナナ味がチーズ味に変わっていました。
わが目を疑いましたが、確かです。パッケージの薄い黄色は、戻ってくるとオレンジイエローに変化していました。両手はお盆でふさがっていたのに、
どうやったのか今も疑問です。
ちなみに定食を食べ終えた後、食後のデザートとして、パワーバーチョコレート味を食べようとしているところを、荒北先輩が後頭部をどついて止めていました。

主将は、イケメンとはいえないかもしれませんが、男も惚れる寡黙な漢前です。
ですがなぜか、総北の主将の前になると、言動が少々うろたえ…恋する乙女的なオーラが見えてしまいました。
ファイルを交換し合おうとした時に、少し手が触れ合い、その瞬間、慌てて指をひっこめた姿は、まるでいじらしい少女のようでした。
…きっとこれは僕の目がおかしいのでしょう、そうに決まっています、絶対そうです。そうに違いありません!!

二年の泉田先輩は、筋肉さえ絡まなければ、言動は普通です。
坊主に近い刈り込んだ髪、むっちむちと言いたいマッソーな体、それでいて睫毛の長いつぶらな瞳。
…大変お気の毒なことに、これらはイケメン要素でありながら、ものすごく、その筋の方に人気が出る条件だとかで…。むしろ周囲が大変そうです。
ちなみに僕は、その筋というのが当初わからず、「その筋って何ですか?」とたずねてしまい、新宿二丁目マップなるものを、そっと手渡され、大人の階段を一つ登りました。

泉田先輩ご本人といえば、さりげなくらしく、鍛え上げた筋肉を誇示したがります。普通といいましたが、それぞれの筋肉に名前をつけているのは、
ちょっと普通じゃないかもしれません。
問題はその筋肉美です。盗撮された写真が、裏サイトなどで、変な加工をされかねないということで、注意が必要なのだとか。今日も荒北先輩が、前ファスナーを
とにかく閉めろと、指導をされていました、大変です。

荒北先輩は、お顔立ちはまあ、その、言葉遣いもあって野獣とか言われてしまうこともあるらしいのですが、面倒見のよさは一番です。
そしてこの方のツッコミがいなければ、箱学自転車競技部は、どこへ向かうのかまったく検討がつきません。
僕はひそかに、心の中で箱学のお母さんと呼んでいます。
世間一般では元ヤンとかヤンキー崩れと呼ばれているらしいのですが、そんなことはありません。この方がいなくてはボケしかいない箱学自転車競技部は歯止めがききません、
箱学最後の、頼もしい砦です。

荒北先輩が、唯一の1年生レギュラーである、真波を制しようとするそのお姿は、尊くすらありました。
その真波といえば、先輩たちからは不思議ちゃん呼ばわりされている、生粋の……ザンメンです。

顔は女の子と見まごうばかり、明るく素直なのですが、……言動がたまに、電波です。
死にそうな目にあえば合うほど「俺、生きてる!」とイキイキするのは、周囲の心臓にも悪いから、何とかしてやめて欲しいと願わずにはいられません。

彼は坂道を登るのに、心臓がバクバクすればするほど、生きている実感がして楽しいのだと言っていました。では下りはどうなのかとたずねたら、下りを全速力でこぐ緊張感も、
比べようがないほど超楽しいと笑顔でした。
……クライマーは全員M気質なのかと、思わず疑ってしまう発言は、他者の名誉もあるので控えておきましょう。
箱学のお母さんがいなくなった後、僕たちはこの人を同期として、どう接すればすればいいのか……。
今は考えるのをやめておきます。

最後に紹介をするのは、ベストオブベスト、後輩の贔屓目なしにしても、校内外ファンクラブがある、東堂先輩はイケメンです。
…しかし、もっともザンメン度が高いのもこの方でした。

それを特に感じたのは、低ケイデンス・ペダリング・トレーニングに入る前のストレッチの時です。

合宿所トレーニングコース 
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自転車に乗る前の準備運動に入ろうと、分散した僕たちの前で、すでに総北の人たちはストレッチを開始していました。

「田所っちとかヨ…おめー重いからコンビやなんだよ」
「まーおまえはヒョロヒョロだもんなー 全身使ってのっかかってきて構わんぜ?」
総北で、外見的に一番目立つ二人組はこの目の前にいる人たちでしょう。
一人は、豪快なおっさ………貫禄ある、全身岩男と表現したい筋肉の塊で、もう一人はキラキラ緑のシャボン色に髪が光る、細く長身の人です。

「……き…ちゃんが……のっかかる…だと…!?」
豪快に笑う、総北のスプリンターを眺める東堂先輩の目は、その時点で剣呑でした。

細長い印象の、玉虫色の髪をした人は、東堂先輩のライバルだと聞いたことがあります。
そのライバルの鍛え方をここで、一から確認しようというのでしょうか。
じっと、監視するような視線をその二人から離さないなと思っていると、東堂先輩は総北の主将さんの元へ移動しました。

「提案だが、ここはせっかくの両校の親睦を深めるためにも、ストレッチのコンビを他校同士で組んだほうがいいのではないだろうか!」
右手を勢いよくあげた先輩は、全力で主張をしていましたが、「ウルセッ!」の一言とともに荒北先輩に殴られ、僕と組まされました。
しぶしぶといった風に、ストレッチをする場所へ異動する先輩が選んだのは、先ほどの二人組の正面です。

「…んっ…ぅんっ…っく……」
「ガハハハッおめーは相変わらず開脚弱ェなあ」
「痛っ……田所っち……も…無理……!」

開脚前屈をする、玉虫色の髪の人は、筋肉男に思い切り背中から体重をかけられ、苦しげに呻いていました。
……その声がエロいと思ったのは、きっと僕だけではなかったと思います
その証拠に顔を上げてみれば、慌てて視線をそらす人や、うつむく人などがいましたから。
顔が赤くなっている人も、確かにいました。…よかった、僕が変なんじゃなかった。

ちなみに、東堂先輩は真顔でガン見をしています。ものすごく、真剣に射るような勢いで眺めています。
さすが先輩です、こんな予備運動でも敵の視察行動を怠らないのは!と感激をしていたら
「東堂、テメェどうどうと視姦してんじゃネェヨッ!」と先輩の頭へ、荒北先輩の後頭部めがけたキックが飛んできました。
「や、山神死すとも、巻ちゃんへの思いは死せず……ぐふっ」
…意味が解りません。

その後、東堂先輩は誰か今の練習風景を、録画していないかと尋ねまわっていました。
さすがに競技姿はともかく、準備運動を録画している人はいなかったようで、頭を抱えてくやしがっていたのは、申し訳なく思います。
こういった時、先輩の意を察して、録画準備をしておくのが後輩ですよねと、気さくに話しかけてくれた総北の鳴子君に相談したら、遠い目をされました。
「…犯罪の片棒になるかもしれんから やめときィ」と呟かれたのは、なぜでしょうか。

ちなみにお風呂タイムは、3年生から順次となっています。この合宿所のお風呂はそれなりに広いのですが、さすがに全員は一度には無理ということで、学年別になりました。
ホカホカの湯上りといった先輩たちは、こんな会話をしています。

「……裕介くんの後姿は、男湯の潤いを越えて目の毒だな」
…先輩、またパワーバーを咥えていますね。今度は何味ですかそれ。そして目の毒の裕介くんってどなたですか。
「あれは…確かに… 髪を上にまとめて、全開のうなじとか、ヤバいよな」
あ、藤原先輩も一緒でしたか。この方は、安心できる常識人です。
「だよねェ白くて細くて、…なぁんか動作がクネクネしてエロいんだよねェ」
「荒北、そういえば東堂はどうした?」
「鼻血出してぶっ倒れてんヨ 巻ちゃんが介抱してくれてるから、本望じゃねェ?」

――なんと、驚きです!
この合宿に噂の東堂先輩の恋人『巻ちゃん』さんが来ているとは!
東堂先輩が、隙あらば電話かメールをしている噂の恋人は、2年生以上の先輩方はみなご存知なようなのに、問いかけても誰もが諦観を浮かべた表情で、
顔を逸らされるのです。
合宿中に訪れてきていて、しかもおとがめもないとは、すでに3年生の皆様の仲では公認のご様子!

…さすが「女の事ならオレに聞け」と豪語されるだけあります、普通にうらやましいっ!!お風呂上りの介抱って膝枕ですよね!
先輩に対しては、尊敬の念しかありませんでしたが、この時ばかりは「イケメン爆ぜろ」と思ってしまっても、罪ではないはずと主張します。

膝枕をされているだろう、東堂先輩を探してみたのですが、すでに食堂へ移動されているとのこと。
テーブル前に座る東堂先輩は、鼻血を出していたと言う要素は微塵もなく、この上もなく幸せそうでした。
すでに巻ちゃんさんは、帰ってしまわれたのでしょうか。一目見てみたかったので残念です。

上機嫌な東堂先輩は、緑の髪の人の横で、炭水化物が足りない、野菜をもっと食え、こちらのほうが栄養バランスが良いなど、いたせりつくせりといった言葉がぴったりに、
あれこれお盆に載せていっています。
「…オレはあんま 夕飯食わねえんダヨ」
「巻ちゃん、それはいかんよ!」

ブッフォォォォォォッ!!!
口に含んでいた味噌汁を吹き出す、強烈な東堂先輩の一言。目の前の席に、誰もいなくてよかった…!
え、僕の聞き間違い?今「巻ちゃん」って言った!?
周囲を見渡せば、僕と同じく驚愕の表情のまま固まっているのが、箱学の一年。
絶念した表情で、もくもくと食事を続けているのが、箱学の二年。我等が三年生の先輩と、総北の皆さんは何の動揺もなく、平常運転です。
…総北一年、パネェ。

あ、箱学にも一人動じてない一年生がいました。総北のメガネ君と、なにやらキャッキャうふふ状態で食事をしている真波です。
……東堂先輩と巻ちゃんさんと、同じ空気を放っているように見えますのは、考えすぎでしょうか。

斜め前の、隣のクラスとヤツとのアイコンタクトは、通じました。
(今、巻ちゃんって言った!?)
(ああ、巻ちゃんって言った!)
いやいやいやいや、たまたまっ!偶然っっ!!東堂先輩の彼女と、緑髪の人の名前が同じだっただけかもしれません。
…まあその推測を打ち消すほど、東堂先輩は全身で幸せオーラを発散しているのですが。

「巻ちゃん、またアイスを食べるつもりだな!ならんよっ昨日の昼もアイスで食事を済ませていただろうっ」
―はい、確定でましたーっ。東堂先輩は、昨日の昼間、食事をアイスで済ませていたらしい巻ちゃんさんに、幸福な顔で携帯越しに説教をしていましたのを、
部員全員が見ています。

ここまできては、もういっそ確かめたほうが気が楽だというものです。
だからといって、さすがに…あの二人の間に、現在割り込む勇気は僕にはありません。
東堂先輩の一つ空けて横、斜め向かいに座っている真波とメガネ君にそっと近寄ります。

「……あの、さ… 東堂先輩がいつも電話してる巻ちゃんって……」
かなり声を落としたつもりだったのですが、すかさず東堂先輩は振り返りました。
先輩の巻ちゃんセンサー、すげェ。

「むっモブ男!オレの巻ちゃんの話をしているか!?」
「誰がお前のっショ!」
「…いやその、すみません 先輩がいつも……ラブ……楽しげにお電話されているのが、巻ちゃんさんだったので、今お目にかかるまで…てっきり先輩の恋人かと……」


「そうかっ!オレと巻ちゃんについて知りたいかっ!!」
指差しポーズのまま、東堂先輩は、なにやら得意げに頷いています。
……東堂先輩の後ろで、なぜか三年の先輩方はいさめる顔をして、こちらに『やめておけ』のハンドサインを送っていました。
「いえ、その…」
「ならば聞かせてやろうっ!このオレと宿命のライバル巻島裕介の出会いからのすべてをっ!!」

――すみません、先輩方。僕には止めることができませんでした。

出会いはとあるレース終了後の通りすがりに、ふと肩がぶつかったからだそうです。
互いに謝罪がなかったので、腹いせに東堂先輩が思わず知らない名前を揶揄したら、即座に「てめーも誰だって話だよ」と返され、第一印象は、最悪だったのだと続けます。

「…東堂先輩が、そんな態度を取られるとは珍しいですね」
思わず出た一言に、さりげなく僕の言葉を聞いている、周囲の箱学一年生も大いに同調をしていました。
先輩は基本的に、気さくで平等で、他人と言う枠組みであっても等しく声をかけてくれる人だったからです。

「よくぞ気が付いたっ!そう…それこそがオレと巻ちゃんの、運命の出会いだったからだ!」
大いに熱の篭った声で、
「万人に愛されるべきこの山神を、さげすみの目で見てきた巻ちゃんにっオレは天が定めたの絆を感じずにはおれんよっ!! なあ巻ちゃんっ」
続けようとした東堂先輩の口舌は「お前もう黙れッショォォォォ!!」と顔を真っ赤にした、巻ちゃんさんの、チキンカツを東堂先輩の口に突っ込むという攻撃で止められました。

「ま…巻ちゃん…!これはアーンかっ!?アーンなのだなっ!!ふぉぉぉぉっ」
天上の美味もかくやといわんが表情で、チキンカツをかみ締める東堂先輩は、神々しいぐらいに輝いています。
もうこれ以上の確認は必要ないでしょう、緑髪の人は、確実に先輩の巻ちゃんさんでした。

食器を片付けている僕の背を、荒北先輩が軽く叩きます。
「よかったなお前 あそこで東堂が巻チャン語りを一からはじめたら、二時間はかかってたぞ」
しみじみと仰るその言葉は、実体験なのでしょうか。
「いや裕介くんが横にいたから、他人のフリが難しいと思った時点でさっきみたいに止めてくれていたんじゃないか」
「…あの距離感で、他人のフリができるのですか」
思わず出てしまった質問に、「まあ できないよ」と全開の笑顔の新開先輩がまぶしかったです。

合宿所内
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さて、一日を終えると問題になるのは、部屋割りでした。
…まあ問題と言っても、この部屋で寝るぅぅぅ−−−っ!と総北の3年生の部屋に乗り込んで、柱にしがみついて離れない東…T先輩の行動だけなのですが。

「てめっ!箱学の恥さらしてんじゃねぇよヨッ!」

ああっお母さんが来てくれた!
思わずそう振り返ってしまったのは、自分だけではないようで、隣にいた同期も僕と同じように荒北先輩を拝んでいました。
今回合同合宿とはいっても、偶然同じ日程で同じ場所になったと言うだけで、部屋割りなどは各学校で組んでいます。
当然総北は、3年生の3人部屋、東堂先輩は箱学レギュラー3年の4人部屋なのですが、東堂先輩は枕を持って、巻ちゃんさんのベッドに潜りこんでいたそうです。
「嫌だぁぁっ!オレはここの部屋の子になるんだっ」

――そういえば、東堂先輩は巻ちゃんさんと電話をしている時は、いつも人格が変わっていましたっけ。
実物がそこにいるのです、先輩が巻ちゃんさんモードになっていても、不思議ではありません。

「ここがいいぃぃっ!巻ちゃーんっ!」
「あぁもうっ!テメェそンなに総北がいいなら、総北にでも転校しろよっ!」
出ました、お母さんの『○○ちゃん家がいいなら、○○ちゃん家の子供になっちゃいなさい!』
ピタリと抵抗をやめた、東堂先輩が、険しい目つきの荒北先輩を真顔で見返します。

「愚かだな、荒北 俺が総北の生徒になってしまっては、運命のライバル巻ちゃんと勝負できんではないかっ!」
…ああ、これがドヤ顔というものなのですね。
ある意味もっともと言えなくも無い反論ですが、……これは、ムカつくだろうなあ。
無言でかまされた延髄切りに、東堂先輩は「ベプシッ!」と、どこかで聞いたことあるような商品名を叫び倒されました。

「あーもうしょーがねェな…、東堂この部屋に泊めてやるっショ」
「巻ちゃんっ!」
「で、荒北ァ 代わりに俺がそっちの部屋行っていいか?」
「まきちゃぁぁぁぁぁぁんっ!!!!」

あれ、この人ドS?

サラッと言い捨てた巻ちゃんさんは、不思議そうに首を傾げています。
「東堂ベッドがいいんだろ?オレは普段ベッドだから別に4人部屋の布団でも構わないっショ」
「違うっ!違うのだよ巻ちゃんっ!!ちがうぅぅぅっ」
わー巻ちゃんさん、スルースキル高ェーと思って、呆然と見ていると、僕の肩を叩く人がいました。
「フッ箱学くん、今巻島先輩をドSなのかと思うたやろ?ちゃうねんあの人、あれで天然やねん」
総北の鳴子君でした。今なら彼が、昼間にくれた犯罪の片棒宣言が、僕にも理解できます。

「おーそりゃいいワ 巻ちゃんが俺らんトコ来れば、夜這いの心配もしなくていーしィ?」
にんまりと笑う荒北先輩、さりげなく巻ちゃんさんを背後に廻し、マジ娘を案じるお母さん。
「やだやだやだぁぁっ!オレは巻ちゃんと同じ部屋で寝るんだっ!」

「……仕方がないな」
ここで登場してきたのは、箱学のお父さん、福富主将でした。
「申し訳ないが金城、巻島と俺の部屋を交換してもらってもいいだろうか、ラチがあかん」
「ちょっとォ福ちゃん このバカ甘やかしすぎじゃナァイ?」
「まあ、そういうな」
……主将がいそいそと、スポーツバックに荷物をまとめ直している姿が、嬉しそうに見えるのは、気のせいでしょうか。

「巻島がそちらに行くことを、すでに了承しているので構わんが…」
近寄ってきた金城先輩が、荒北先輩へと向き直り、その肩を力いっぱい握っています。

「巻島の身の安全は、…信じてるぞ」
「おっ、おぉ…」
娘を案じるような総北のお父さんは、真顔でした。

それにしてもこんな短期間で、先輩方の印象がこんなに変わるとは思ってもいませんでした。
これで、やっと合宿1日目が終了です。残る3日間……何がおきるのやら、僕は心配でなりません。

(続かないヨ!)