誤解とエロと真実と
オマケ

日本に追いついたドイツが、この犬は現在しつけ中であること。
そして力関係を判らせる為に、あえてマウントポジションを取って
いたことを告げると、一刻も早くそこから立ち去りたい風情だった
日本は、ようやく落ち着いたようだった。

「なるほど…そうでしたか」
「解ってくれたか!」
大きく息を吐き出し、顔を輝かせたドイツに日本は深々と頷いた。

「でも 私は最近思うのですよ…どんな趣味だって、どんな嗜好
だって 萌え と表現すればアリなんじゃないかと!」
「…日本?」
普段は自分の感情を抑えて喋ることが多い日本が、握りこぶしで
主張をはじめ、珍しいものを見たとドイツが軽く目を瞠る。

「例えばです!ドイツさんの趣味を獣○と表現すると ひきますが
これを ケモ耳ケモ尻尾非捏造萌えと表現してみるとかっ」
「…待て 何の話だ」
「ああ、でもこれでは生まれつきのケモ耳ケモ尻尾を持ってる
属性種族にも適応されてしまいますね でしたらここはやはり
ストレートに ケモノ萌えですか?」
「俺に聞くなっ!というより俺の趣味だと断定するな!」
「解ります 自分の萌えの主張は他人に指摘されれたくないです
よね!あ、あとSMとかは萌えをつけても可愛くないので、気に
入った相手の泣き顔萌えとか、日常的には味わえない経験の
踏んでもらう萌えとかで表現してみたらいかがでしょう!?」

「日本ーーーっ!!結局!!根本的に解ってないだろうっ!!!」
こいつを、人畜無害でおとなしやかだなんて表現したのはどこの
どいつだ。オランダ。
……いや違う、これはお約束ジョークで確か帽子の持ち主を
尋ねると言う会話のネタだった筈だ。

タガの外れかけた日本を相手に、もう一度説得を試みる気力が
ないドイツは、脳内で現実逃避をして嵐が過ぎ去るのを待つので
あった。