本日の教務は、過去に活躍された先輩方のお話を伺おう…と言うと聞えはいいが、実質は隠居寸前の老人たちの自分の手柄話だ。 おおまかな生徒が、あくびを噛み殺したりノートに書き纏めているフリをしながら落書きしているのに対し、きちんと耳を傾けているロイとヒューズの姿は熱心な生徒に写ったようで、終了後に特別なお褒めの言葉を下さるからと別室に呼ばれた。 「…あの繰言をよくもまあ真面目な顔で聞いていたな、お前」 真摯な表情で廊下を歩く二人連れは、品行方正な優等生そのもので、同級生たちはさりげなく道を開けて歩く。 小声でのロイから持ちかけた会話は、周囲には聞えていない。 「そっちこそ熱心に聴いてたじゃないか」 「育ての親の職場のおかげで どんな言葉も聞いてる振りして聞き流せるようになっている 自慢話をする奴は相手がどう聞いてるかなんてどうでもいいからな」 「便利な特技だな 俺は自分が出世しても将来こうならないようにはしようと未来ビジョンを考えてたら面白くなった」 「あれを面白いと思えるなら、お前の方こそ便利な特技だ」 二人と引退寸前中将が向かい合う、特別来賓室での会話は二時間。 「いや、本当に将来が楽しみな若人達だ 実に見所がある」 「勿体無いお褒めの言葉、恐縮です」にこやかに握手で答えるロイ。 「頂いたお言葉に恥じぬよう精進します」まじめくさって敬礼で答える、ヒューズ。 護衛官の迎えで、上機嫌で中将が来賓室を出て行ったのを見届けた後、ヒューズとロイは乱暴に値の張ったソファに腰を落とした。 「……爺のぼやきにひたすら付き合うのが、こんなに辛いとは…」 「そうか?まだアレはマシだぞ 酔っ払ってないから少なくとも会話はそれほどループしていない」 ふふんと得意げに笑うロイはいつもの気負った様子が少し薄れ無防備で、ヒューズは一瞬見惚れる。 「お前さんの成長過程を詳しく聞いてみたいもんだな」 「つまらんものだ 他人に教えるつもりはない」 「他人だなんて! ひどいわロイちゃんっ ヒューズショック!!一緒にお風呂に入ったり一緒にご飯を食べたりしている仲なのに!」 寮生はみんなそうだろうとの、ロイの呟きにもめげず、ロイの肩を抱きこんできたヒューズがニヤリと笑う。 「まあ、じゃ改めてお互いの話をしてみねえ?ここ、さっき確認しといたんだけど中将が19:30まで貸切で他の奴ら入らないようにって命令出してるんだと…二人で将軍の会話で課題を与えられたとか言っとけば、掃除堂々とサボれるぜ?」 「t…悪くないな お茶も菓子もあることだし」 共犯者の笑みを浮かべた二人は、二時間の苦行の代価として上質なソファと上質なお茶での、楽しい会話の時間を得ることが出来たのだった。 ********************** ヒュロイアスレチック様にお邪魔しました 私では初…か?ハボの出てこないヒュ+ロイ話 |