オマケ


「ハボック…ここの所の私の行動が変で、迷惑をかけた」
きりっとした表情で、落ち着いた様子のマスニャングに、恒例の
朝のお出迎えをしたハボックは拍子抜けだ。

先日以来、自分を意識していたマスニャングは目を合わせず、
無理やり目線を合わせると顔を真っ赤にしてしどろもどろだったのに、
なぜか今朝は平静さを保っていた。

「大佐…何かあったんスか?」
こちらが平常なのだが、あまりの変わりようがおかしい。
「うむ…夕べヒューズが遊びに来たのだが…」

――チィッまたあのオッサン、何か企てやがったな!

「…ワン…?何か顔怖いぞ…」
ヒューズの名前を聞いた瞬間、咥えていたタバコのフィルターを
噛み潰したハボックは、ものすごいしかめ面になっていた。
一歩引いた様子になったロイを見たハボックが、慌てて渋面をかき
消し手を振った
「あ、いやスミマセン ちょっと考え事してたもんで…んで中佐が
何を言ったんスか?」
「うむ…その…お前といるとあったかくて、抱きしめられると気持
よくて、背中撫でてくれると安らぐんだけど、何でか落ち着かない
と相談したんだ」

―するな っつーかそういう事は俺に直接言ってくれ

ハボックの内心など知る様子もなく、ロイは続ける。
「そうしたらヒューズは『それは母親に対する感情だな』と分析
してくれてな」
「…大佐 俺は男でしかもアンタより年下ですが」
「うむ だから暖かいのに心が変だと思うから落ち着かないんだと
ヒューズは解説してくれた」

それで納得をしてしまったらしいロイは、臆面もなくいつもの
抱っこをしてくれと腕を伸ばしてきた。

―ああ、やっと一歩進めたと思ったのに……
鈍い当人と、鉄壁の小舅を守る壁はまだまだ高かった。

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……ちょこと続きをとのお言葉を頂いたので書いてみた

にゃんぐとワンの小さな一歩おめでとうメッセージを頂いたのに
すみません二人の仲また後退しちゃったww