「大佐の耳って綺麗っスよね」
 背後に立ったハボックがロイの両耳の下の髪を梳き上げるようにして言う。突然の事に、ロイは手にしていた書類をバサリと机の上に落とした。
「いきなり何なんだ、お前はッ!」

 その優しい手つきに頬を染めて肩越しにハボックを睨みつける。そのあまりの形相にハボックは一瞬目を瞠ったが、くすりと笑うと咥えていた煙草をピコピコと動かして答えた。
「なんなんだ、って。別に普段思ってたことを言っただけっスよ?大佐こそ、なんでそんな紅くなってるんスか?」

 楽しそうな笑みを浮かべて言う男をロイはギロリと睨んだが、フィと顔を背けると落とした書類を拾い上げる。殊更ハボックを無視するように書類を捲る姿に、ハボックは髪を梳き上げていた指先で、ロイの耳朶をふるふると揺すった。
「耳朶とか、すげぇ柔らかいし。赤ちゃんみてぇ」
「…ッ!!」

 ハボックの太い指が耳朶を弄る感触にビクッと身を震わせると、ロイはハボックの手を振り解く。今度は体ごと振り返ってハボックを睨みつけた。
「何が赤ちゃんみたいだッ!!」
「大佐の耳朶が」
「そんな事聞いてないっ!!」
 言いたいのはそんな事ではないと判りきっているのにシレッとして煙草をふかす男にロイは頭から湯気を出す。カッカと怒りを爆発させるロイの耳は白い淵が薄っすらと桜色に染まってとても綺麗だった。
「ほら、やっぱり綺麗だ」

 ハボックはそう言うとスルリとロイの頭の後ろに手を回し、抵抗の暇も与えずに細い体を引き寄せる。そうして桜色に染まった柔らかい耳朶を唇に挟んだ。
「ああ、ほら、やっぱり柔らかい。ファルマンが言ってた羽二重餅ってこんな感じっスかね」
「な、ん……っ、あ…ッ」

 甘く耳朶を噛まれてロイは目を見開く。耳のすぐ近くで囁かれる声は背筋を震わせ、ロイは思わずハボックの腕に縋りついた。
「いや、きっと羽二重餅なんかよりこっちの方がずっと柔らかくて甘いっスね…」

 ハボックは低く笑いながらそう言うと何度もロイの耳に舌を這わせる。微かにもがく体を抱きこむときつく歯を立てた。
「あまい……もっと喰わせて…」
「…ッ、ハボ……ッッ!!」

 執拗に耳に加えられる愛撫に、ロイの手からバサバサと書類が床に落ちる。きつく抱き締める腕に縋りながら、ロイはただ甘く体を震わせるしかなかった。

******************
みつき様に4コマ34のヒゲロイ集拡大版(笑)を進呈させていただいたらおねだりOKとの言葉を頂き、あんなのでいいのかなあ>汗(自サイトにすらありませんサイズww)と思いつつお言葉には甘えるぜとこちらをGET!
耳!耳責め!!ちょっ…ドキドキするほど耳をいじっているだけにエロいのですが…!
みつき様の文章力はいつも素晴らしく読んでいて幸せをいただけるので、ぜひご本人のサイトに行かれてみて下さい