オマケ


騙してやろうとの意図で近づいてきた相手は警戒が微塵もなく、壁際
へ追い詰めるのは楽な作業だった。
自分に何が起きているのかをまだ理解していない大佐は、きょとんと
どこか子供じみた表情で、状況を確かめるかのように俺を上目遣いに
眺めている。

「まずアンタが好きなのはココ」
「ひゃっ…!」
俺が唇端を上げて笑みの表情を作っていたので、油断していた大佐は
耳朶を噛まれ反射的に背筋を伸ばした。
「やっ…おまっ…」
「それからこっち弄られるのも好きなんスよね」
「ふざけっ…こら離せっ!」
「記憶がないんでしょ 俺が大佐の大好きな気持ちいいこといっぱい
してあげるから大人しくして下さい」

どう言い返してやろうかと画策する大佐に反抗させる余裕を与えず、
シャツの上から乳首を摘む。
捏ねるように指先で刺激を与えれば、すぐにそこは硬度を持って白い
布下でぷくりと膨らんだ。しこるようなその感触が楽しくて繰り返し指を
動かしていると、大佐は俺の後髪を掴み引き剥がそうと弱々しく足掻く。
だけど息を詰め頬を紅くして震えてるその顔は、今の俺には誘っている
ようにしか見えない。

「んっ…バカ…やっ……」
「あーまだ記憶戻ってないんスね やじゃなくてイイでしょ?」
かがんでシャツ越しに大佐の乳首を舌先で嬲れば、水分を含んだ布地は
うっすらと紅色に透け、へたな素肌よりエロく存在を主張していた。
「もっ…いい…から……」
「いい?そっか もっといじれば思い出せるかもしれませんね」
「ちがっ…!人の話を…んっ」
唾液で張り付いたシャツの上から、指を膨らみの上に乗せて円を描くよう
に回すと、頬を上気させた大佐は「あっ…」と短く吐息交じりに洩らし、唇
を噛み締めた。
俺を遠ざけようと、力の入らぬ手で一生懸命抵抗をしてくる様子は可愛ら
しいだけで、いっそう俺の獣欲を煽る。

「あーこっちばかりいじってるの不公平かな 大佐こっち触られるのも好き
っスもんね?」
「ひゃっ……!」
左掌で胸元を撫で回しながら、右手を大佐の腰へと回し熱を持ち始めた
昂ぶりを押し付けると、大佐は反射的に逃れようと身じろいだ。
勿論それを許す筈もなく、むしろその隙に手早く大佐のズボンのファスナー
を下ろし、下着ごと剥いてしまった。
鍛錬したせいで厚くなった俺の皮膚とは対照的な、薄く滑らかな皮膚は
いつまでも撫で回していたくなる。そんな些細な掌の動きにも、今の大佐は
どれも敏感に反応し指先を異なる箇所へと這わせるたびに、ピクリと白い
体は揺れる。

濡れた乳首が透けたシャツ一枚の姿の大佐は、綺麗でそれでいてこの
上なく淫猥だ。
俺のゴクリと動いた喉元を見た大佐は、怯えたように「イヤだ」と小さく
繰り返すが、その言葉とは裏腹に指先からは徐々にイヤらしい水音は増し
ていく。
「あー頭は覚えてなくても、こっちはちゃんと気持ちイイ所記憶してくれてる
みたいっスね」
「ちがっ……やだっ…!」
シャツで隠れて見えない股間に指を滑らせ、先走りの露で湿らせた指先を
大佐の鈴口から肉茎へと伝わせると、大佐は頬を一層紅く染め過敏な体
を震わせ、俺の肩を押し返す。
「フフ…いつも可愛いけど記憶喪失なアンタもかわいいっスね」
「な…なにが…っ…… あっ…ん」
大佐の無駄な抵抗も、俺が何度か熱を持ち始めた中心を扱いてやれば
いつしか力が抜け、縋るような形とかわった。

「はっ…あっやだぁっ やっ…」
「ヤダじゃなくて気持ちいいでしょ ホラ自分で見てみます?アンタのエロい
汁 俺の手こんなに濡らしてるんだから」
ぬるりとした指先で、大佐の頬を汚し撫でれば大佐は羞恥で涙目になって、
俺を睨んだ。そんな顔は、雄の嗜虐欲をそそるばかりだっていうのに。

声も出なくなって、必死で己の矜持を保とうとする大佐をもっと啼かせたい。
大佐の中心が硬度と角度を持って、溢れてくる蜜量が増えてきたのを見計
らって茎根を指で環を作って戒めると、大佐はひゅっと小さく息を呑んで
俺を見上げた。
「やあっ…なんで……あっ……」
イかないように戒めながらも、そこへの悪戯を繰り返すと大佐の震えは大き
くなって、必死の表情で俺を見上げた。
「…大佐は焦らされるのが好きだったんスよ 気持ちいいのを長引かせて
上げますからイッパイ楽しんで下さい」
「やっ…指…離し………あぁっ…!」

貪り尽くしたくなる潤んだ頼りない双眸と、無意識に揺らす腰。凛とした大佐
が俺だけに見せる極上の獲物の顔に、獣欲は理性を上回っていく。
「駄目っスよちゃんと記憶取り戻さなくちゃ アンタが素直にもっとって言え
なくちゃ意味なしでしょ…あ、そっかここ締めたまま後ろもいじって欲しい?」
「ひぁっ…やだ…やだ…」

ぼろぼろ涙を流す大佐に、ゾクリと狂暴な欲が腰へと集中する。
「駄目っスよ ちゃんと言えないならこのまま続けないと治療にならないし」
「あっ…ん…やっ…やぁ…手…離し…なに…言えば…」
「素直に言えばいいんスよ『ジャンが触っているのは私の気持ちイイ所です
お願いもっと弄ってイかせて下さい』って」
「…くっ…あ…やっ…」
震えてそれでも折れまいとする大佐自身は綺麗で、もっと追い詰めてやりた
くなるばかりだ。
首筋の薄い皮膚に噛み付くように口付け、手先を素早く上下させる。
「やっ…ぁ… あっやだ!ハボ…も…許し…」
「あれ?俺の苗字を言えるってことは無事記憶が戻ったんスね…でも今言う
台詞は違うでしょ」
「やだっ!くるし……ハボ……ひぁっ…助け…」
「…ちゃんと言って?」

もっと俺を求めて、もっと俺に焦がれるように――優しさ以外の物をたまには
与えておかなくちゃ。
低く囁いて、愛撫の手を止めると大佐はぎゅっと俺の胸元を掴んで俯いた
まま小さく囁いた。
「ジャン…イかせて…… おねが…ぁっ…」
「………」

くぐもった男の声が、こんなに艶を含んで色っぽいなんて反則だろう。
「…っい…あっ……イかせ… おねがっ…ジャン……」
涙を溜めて、必死にねだってくる大佐の甘い嬌声は俺の脳裏に染みいって
何も考えなくさせる。
「お望みのままに 大好きですよ…大佐」
戒めを解き流れた涙を舌先で拭うと、快感にあえぐ大佐はあっさりとその精
を俺の掌の中に放った。

「ハボ…… おま…よくも……」
ハァハァと乱れた息を吐く大佐は、ぐったりしつつも俺を睨む。
「いやあ記憶戻って良かったっスね」
「……気づいていたくせに……」
「は?何をっスか ひどいなあ俺は大佐の記憶喪失を直してあげて しかも
気持ちよくさせて上げたのに怒るなんて」
「なっ …ハボッ!お前っ手をどこ…っ」
「今度は俺を気持ちよくさせて下さい 我慢しろとか言わんで下さいよ…
こんな色っぽい姿見せられたら無理っスから」

「ちょ、調子に……ばかっ…やめ……」
力ない抵抗は可愛いばかりで、少し手のひらで薄い皮膚を撫でれば大佐は
ずるずると力なく壁に添って崩れていく。
しゃがみこんだ白い足を広げて、間に俺の体を割り込ませれば後はこちらの
成すがままで、一度達して敏感になっている白い体をエイプリルフールに
感謝しつつ思い切り味わわせてもらった。


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省略した部分を書いてみたり